元刑事ショーケンが“出汁”を効かせる『鴨川食堂』

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 テレビドラマは11年ぶり、NHKのそれともなると14年ぶりという――。

 稀代の問題児、もとい65歳となったショーケンこと萩原健一が出演中のドラマ『鴨川食堂』(NHK BSプレミアム/日曜22時)。

 京都・東本願寺そばにある、看板も暖簾もない鴨川食堂の2階は探偵社。雑誌の一行広告を頼りにやって来る依頼人の思い出の食を突き止め再現する、元刑事の料理人で探偵というのがショーケンの役どころ。その娘役が忽那(くつな)汐里だ。

「久しぶりのドラマということに加えて、元刑事の探偵役ということで、ショーケンが20代半ばで演じたマカロニ(『太陽にほえろ!』の刑事役)、修ちゃん(『傷だらけの天使』での探偵事務所調査員役)を彷彿させる。撮影当初は現場で力の入りすぎたショーケンが撮影を難航させ、打ち切りになったとの噂も流れました」(芸能記者)

 そんな心配を余所に、いざ始まってみれば、ネットでは“心がほっこりする”だの“感動を得る料理番組”だのと、反逆のカリスマとはかけ離れた高評価で、全8回シリーズの第3回が1月24日に放送された。

「柏井壽の同名小説が原作で、第2回までは台詞も含めほぼ原作通り。いいドラマだけど薄味で、ショーケンと岩下志麻という豪華キャストにしたのが不思議なほどでした。しかし第3回は原作からズレをみせ、ショーケンの酒をあおるシーンなどに狂気が入り始めました。今後が楽しみです」

 とはコラムニストの林操氏。ショーケンの出汁が効き始めたようである。

週刊新潮 2016年2月4日号掲載

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