折も折、JOCが「理事会非公開」の不見識
「エンブレムに新国立、去年あれほど“密室”が批判されたというのに……。見識のカケラもないですよ」
と、大手紙運動部デスクが鼻白む。
なんでも、JOC(日本オリンピック委員会)が“理事会を非公開にしたい”と記者クラブに申し入れてきたのだという。
「理事会は30名ほどの理事らによって構成され、いつも記者が立ち会っているわけですが、“記者がいると活発な議論ができない”のだそうです。申し入れは、12日に行われた記者クラブ総会で検討されたのですが、もちろん全会一致で“拒否”。もっとも、公開にするか否かはJOCの胸三寸なので、我々の意思が無視されてもおかしくないわけですが……」(同)
念のため申し添えると、五輪エンブレムや新国立競技場の白紙撤回問題で時間とカネを浪費し、国民を呆れさせたのは、“鮫の脳味噌”こと森喜朗元首相が会長を務める“東京オリンピック組織委員会”。JOCとは別の組織である。ただ、実際のところ、竹田恆和JOC会長が副会長を務め、橋本聖子参院議員、ハンマー投げの室伏広治選手など、双方を兼務する理事は少なくない。
「スポーツ界全体が国民の信任を失いつつあることがわかっていないというか、誰も反省していないというか……。そもそもJOCにだって、加盟団体の不正経理が露見したり、複数の幹部が暴力団との癒着を指摘されたりと、ここ最近も看過できない問題が次々に浮上している。決して“我々はクリーンだ”と胸を張れる組織ではないですよ」(同)
今年初の理事会は1月26日に開催されるというのだが……。