【参院選】目玉候補に“女性外交官”を用意した「公明党」 福島瑞穂しか当選できない「社民党」

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 半年後に控えた参院選挙。10増10減の機に乗じて、自民とタッグを組む公明党は“目玉”を用意してきた。1増で改選3となった福岡選挙区に同党が24年ぶりに擁立したのは、女性外交官である。飯塚市出身の高瀬弘美氏(34)は、創価大を卒業後、外務省に専門職で入省。米国や東ティモールに駐在した経歴を持つ。公明は13年にも、神奈川選挙区で創価大卒の女性弁護士・佐々木さやか氏(34)を擁立、信心の甲斐あってか無事当選へと導いている。

 ジャーナリストの乙骨正生氏が言う。

「公明党の候補は、かつては学会内での活動で実績を残した人が選ばれるものでした。それが93年頃から、高学歴で社会受けのよい職業の人が対象になってきた。もちろん容姿も考慮され、前回の佐々木さんのような美人を選ぶ傾向が強まっています。とりわけ男性の浮動票が見込めますし、学会の婦人部も、才色兼備の女性を実の娘のように応援することで自らの虚栄心を充たせるわけです」

■現役の党首が落選

二重の正念場を迎えている

 一方、党も人材も斜陽が差し込んで久しい社民党。現在の所属議員は衆2参3の計5人。公選法などが規定する「政党要件」は、

〈所属国会議員5人以上〉

 または、

〈直近の国政選挙において全国での得票が2%以上〉

 とされており、かつて衆参200人以上の議員を擁した同党は今回、二重の正念場を迎えている。と言うのも、揃って比例代表に名を連ねる吉田忠智党首(59)と福島瑞穂前党首(60)のダブル当選を目指しながら、

「13年は125万票で1議席でした。2議席死守ならばその倍は必要なところですが、党勢は衰退の一途、1議席は確実に失います。その場合、やはり知名度で劣る吉田さんが落選となるでしょう」(政治部デスク)

 いっそ名の知れ渡っている福島前党首が選挙区に回ればよいのだが、

「自身が県連代表を務める神奈川選挙区への転出を内々に打診されたのですが、福島さんは拒んで比例から動こうとしなかった。このままでは、現役の党首が落選する事態が現実となりそうです」(党関係者)

 となれば国会議員は4人に減少。前回の得票率は2・36%と、辛うじて19年までは要件を満たすことができたとは言え、今回2%を割り込めば、まさしく瓦解の響きが聞こえてくる──。

「特集 2016年 永田町最大のイベント 悪だくみが始まった『参院選』の策謀」より

週刊新潮 2016年1月14日迎春増大号掲載

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