第154回芥川賞は滝口悠生さん「死んでいない者」、本谷有希子さん「異類婚姻譚」のダブル受賞、直木賞は青山文平さん『つまをめとらば』
第154回芥川龍之介賞、直木三十五賞の選考会が1月19日築地・新喜楽にて行われ、芥川賞に滝口悠生さん(33)の「死んでいない者」(文學界12月号)、本谷有希子さん(36)の「異類婚姻譚(いるいこんいんたん)」(群像11月号)が、直木賞に青山文平さん(67)の『つまをめとらば』(文藝春秋)が選ばれた。
芥川賞受賞の滝口悠生さん「死んでいない者」収録の「文學界」2015年12月号(左)、芥川賞受賞の本谷有希子さん「異類婚姻譚(いるいこんいんたん)」収録の「群像」2015年11月号(中央)、直木賞受賞の青山文平さん『つまをめとらば』(文藝春秋刊)。
滝口悠生さんは1982年、東京都生まれ。2011年「楽器」で第43回新潮新人賞を受賞してデビュー。2014年『寝相』(新潮社)で第36回野間文芸新人賞候補、2015年『愛と人生』(講談社)で第37回野間文芸新人賞受賞、第28回三島由紀夫賞候補。2015年「ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」(新潮5月号)で第153回芥川賞候補となっていた。芥川賞の候補は2度目。
本谷有希子さんは1979年、石川県生まれ。2000年より「劇団、本谷有希子」を主宰。2007年『遭難、』で第10回鶴屋南北戯曲賞を受賞。2009年『幸せ最高ありがとうマジで!』で第53回岸田國士戯曲賞を受賞。2011年小説『ぬるい毒』で第33回野間文芸新人賞、2013年『嵐のピクニック』で第7回大江健三郎賞、2014年『自分を好きになる方法』で第27回三島由紀夫賞を受賞した。芥川賞の候補は4度目。
青山文平さんは1948年、神奈川県横浜市出身。早稲田大学第一政治経済学部卒業。経済関係の出版社に18年勤務した後、1992年よりフリーライター。同年『俺たちの水晶宮』で第18回中央公論新人賞を受賞。ほぼ10年で創作活動を終了。2011年、創作再開。初めての時代小説「白樫の樹の下で」で第18回松本清張賞を受賞。同年、本作品を収録した『白樫の樹の下で』でデビュー。2014年『鬼はもとより』(徳間書店刊)で第152回直木賞候補、第17回大藪春彦賞を受賞した。直木賞の候補は2度目。
芥川賞・直木賞はどちらも昭和10年に制定。芥川賞は新聞・雑誌に発表された純文学短編作品が対象。主に新人作家に与えられる。直木賞は新聞・雑誌、単行本で発表された短篇および長編の大衆文学作品を対象に優秀作を選定。主に新進・中堅作家が対象。
候補作品は以下のとおり。
■第154回「芥川龍之介賞」候補作品
石田 千「家へ」(群像7月号)
上田岳弘「異郷の友人」(新潮12月号)
加藤秀行「シェア」(文學界10月号)
滝口悠生「死んでいない者」(文學界12月号)
松波太郎「ホモサピエンスの瞬間」(文學界10月号)
本谷有希子「異類婚姻譚(いるいこんいんたん)」(群像11月号)
■第154回「直木三十五賞」候補作品
青山文平「つまをめとらば」(文藝春秋)
梶 よう子「ヨイ豊(とよ)」(講談社)
深緑野分「戦場のコックたち」(東京創元社)
宮下奈都「羊と鋼(はがね)の森」(文藝春秋)
柚月裕子「孤狼(ころう)の血」(KADOKAWA)
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