TBSを辞めて参院選に挑戦する「杉尾キャスター」

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 およそ半年後に控えた参院選に向け、着々と準備を進めている様子――。東京選挙区では、タレントの菊川怜(37)の出馬が取り沙汰されているが、同じく「キャスター」出身であるのが、長野選挙区から出馬予定の杉尾秀哉氏(58)だ。TBSで『ニュースの森』など報道畑を歩み、報道局解説・専門記者室長のポストを最後に年末、退社した。かつて政治部記者でもあったご本人、

「報道の仕事はやるだけやったし、昨年の初め頃から会社を辞めたいと言って、大学の特別客員教授もしてみました。定年まで2年を切り、何ができるかと考えた時、別の世界を切り開いてみたいと思ったのです」

 13年からは名産の「市田柿」のPR大使を務めるなど長野との関わりも深く、引退する民主党の北沢俊美元防衛相の後継候補となる。

「91年からずっと羽田グループの取材を担当して長野も回りましたが、政権交代可能な二大政党制は日本に必要だと思います。チェックアンドバランスが大事なのに、今の政治に果たして緊張感があるのか、という思いは抱いています」(同)

■理由が何なのか

 が、政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、

「北沢議員は、慶弔費を党支部から5年間で約266万円も支出していたことが発覚しました。釈明しないまま引退するわけです」

 そう指摘しながら、

「代わりに杉尾さんが説明するのでしょうか。そうした議員の後釜に、追及すべき立場にあった人が収まることが疑問です。昨今は政治とメディアの関係について論じられることが多いのに、キャスターが出馬する理由が何なのか、真意がまるで見えません」

 ニュースの森から長野の森へと移れるのだろうか。

「特集 2016年 永田町最大のイベント 悪だくみが始まった『参院選』の策謀」より

週刊新潮 2016年1月14日迎春増大号掲載

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