「森進一」の紅白卒業に“思い出ないです”と答えた「氷川きよし」
今回の紅白歌合戦のキャッチフレーズは〈ザッツ、日本! ザッツ、紅白!〉であった。ミッキーマウスなどのディズニーキャラクターや映画『スター・ウォーズ』シリーズのダース・ベイダー、C-3POまで登場させておいて〈ザッツ、日本!〉なんてよく言えたものだが、貫くテーマが曖昧なだけではなく、番組全体を通してなんだか盛り上がりに欠けるな、と感じた方も多かったのではないか。視聴者が感じた物足りなさはそのまま数字に表れたようで、午後9時からの第2部の視聴率は39・2%。2部制に移行した1989年以降で最低の数字を記録してしまったのだ。
■“寂しいです”
無論、その理由はいくつか挙げられるだろうが、放送前から多くの関係者が指摘していたのが、「目玉不足」。あるいは、目玉になり得るはずの話題にいまいち注目が集まらないという点で、例えば、今回限りで紅白を卒業することを表明した森進一(68)については、
「森の引退は今回の紅白をめぐる大きなトピックですから、本番の前日と前々日に行われる各歌手のリハーサル後の囲み取材では、記者が必ずそれについて質問していたのですが……」
と、芸能記者は言う。
「どの歌手も森との具体的なエピソードがないのか、“寂しいです”といった通り一遍のコメントしかしない。氷川きよしに至っては、森との紅白での思い出を聞かれ、“森さんと? 特にないですね”と言ってのけていました。森を送り出す側がこれでは盛り上がりようがありませんよ」
■ゾウリムシの裏側
今回が最後であるにもかかわらず、白組のトリは近藤真彦(51)に奪われ、森が登場したのはその「前座」。
「2年前、北島三郎が卒業を表明した際にはスポーツ紙はかなり大きく扱った。が、今回の森の卒業については、ほとんどベタ記事扱いのスポーツ紙もあった。NHKはそういう反応の“薄さ”も見て、トリは森ではなく近藤、という判断をしたのでしょう」(芸能レポーターの石川敏男氏)
紅組司会を務めた綾瀬はるか
それでも当の森が圧倒的な歌唱力を見せ付ければ、その姿は人々の脳裏に焼き付いたはず。が、残念ながら強い印象を残したのはその声ではなく、顔だった。全体が不自然に突っ張った、マイケル・ジャクソンのようなあの顔……。
「私には森進一の顔はゾウリムシの裏側のように見えましたが、どうしても気になってしまいますよね」(ライターの吉田潮氏)
■“不自然な顔がテレビのアップに耐えられなくなったから”
森が卒業を決めた理由は、あの不自然な顔がテレビのアップに耐えられなくなったから――芸能記者の間では、まことしやかにそう囁かれているそうだ。ちなみに本番終了後、司会者や主立った出場歌手が記者の囲み取材に応じるのが毎年の慣例となっているが、
「森進一は囲み取材に応じませんでしたね。最後の紅白だったから我々もコメントが欲しくて、森さんを追いかけて“最後の紅白の感想を一言”と聞いてみたのですが、それすらも無視して足早に去ってしまいました」(スポーツ紙記者)
例年は気さくに取材に応じる和田アキ子(65)も、
「逃げるように楽屋に入ってしまい、囲み取材はなし。『週刊新潮』の記事でも指摘されていましたが、今回は紅白落選が濃厚だったのに、同じ事務所の綾瀬はるかが紅組司会に抜擢されたから何とか拾われた。その話が業界内に広がり、肩身が狭かったのでしょう」(同)
「特集 カメラが写さなかった『紅白舞台裏』歌合戦」より