陽気な明治天皇 臣下に食事を分け与え 宮殿全体がひとつの家族のようだった

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「おすべり」とは何か、と聞かれて首をかしげる人も、「おさがり」と言い換えればわかるだろう。宮中では天皇皇后からいただくものをおすべりという。『天皇陛下の私生活 1945年の昭和天皇』の著者、米窪明美さんが解説してくれた。

「これをみんなで、というときは『おすべり』で、特定の誰かにこれを、というときは『くだされ』というんです」

 あらゆるものが対象になるが、たとえば、天皇皇后が使う箸は柳箸。つまり、割り箸だ。それを1回で捨てずに何回か使って、箸の先が煮物の汁などでにじんでくると、おすべりで料理人の菜箸になる。...

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