新年早々、空き巣に「4500万円」をやられた教訓

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 帰省や旅行で家を空けることの多い年末年始は、空き巣犯が跳梁跋扈する時期でもある。だがそれにしても、被害総額4506万円とは……。

 1月2日夜、栃木県警栃木警察署に、“自宅に置いていた現金を盗まれた”と届け出たのは、栃木市内の医師(75)。県医師会のトップを務めたこともある、地元の名士である。診療所を兼ねる住まいに暮らす医師夫婦は、12月29日から沖縄に旅行していたが、2日に帰宅して異変に気付いた。

「被疑者は1階の診療所の、サッシ窓のガラスを割って鍵を開け、そこから侵入。2階の寝室の机に裸で入れていた現金3000万円の他、タンスの引き出しの中のプラスチックケースに入れた1000万円、机の脚元に置いたバッグや箱の中の506万円と、合計4506万円を盗みました」(栃木署副署長)

“タンス預金”が盗まれたのだ。“医者の不養生”ならぬ“不用心”だが、

「手口からすると、これは常習犯の犯行。こうした“店舗併用住宅”を専門に狙う泥棒がいるんです」

 と言うのは、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏。小川氏は昨夏、本誌(「週刊新潮」)に空き巣対策のノウハウを寄稿してくれたが、今回の事件にそれらが生かされた様子はない。せめて警備会社の防犯システムを導入していれば――。

「泥棒もそこは心得ていて、窓を破ったあとしばらく様子を見て、警備会社が来ないことを確認してから侵入するのです」(同)

 それでもタンス預金を空き巣から守るには?

「“防盗金庫”を使うのがいい。これは小さなものでも重さ300キロほどあるので、1人2人では搬出できませんし、簡単に開けることもできないほど頑丈です。中には常習犯でさえ、最敬礼して手を出さない金庫もあります」(同)

 こうした常習犯は、全国に3000人ほどおり、その半分は服役中だとか。

「手口をさらに詳しく解明すれば、被疑者は数人に絞り込めると思います」(同)

 天網恢恢疎にして漏らさず。その前に金庫で自衛を。

週刊新潮 2016年1月14日迎春増大号掲載

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