ついに「プーチン語録」の「びっくりぽん!」

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「プーチンには魂がない」

 かつてヒラリー・クリントンにそう評された際、本人はすかさずこう応じた。

「国の首脳たる者、少なくとも頭脳はあるべき」

 この切り返しが冴えているかは措くとして、ロシア国内には斯くの如き“名言”の信奉者が多数いるらしい。

「『世界を変える言葉』と題した“プーチン語録”がこの年末、政府支持団体から大統領府に寄贈され、プーチンお気に入りの政治家、上級官僚1000人に“新年の贈り物”として配布されました」(国際部記者)

 同書は400ページにも及ぶボリュームで、過去12年間のプーチンの演説や警句が収録されている。

「高官たちの“教育プログラム”の一環として刊行されたそうで、1月中に1300円ほどで一般販売もされます。配布したボロジン大統領府第一副長官によれば〈政治家の座右の書とすべし〉とのことです」(同)

 やはりこの年末には『まいつき、プーチン!』とでも呼びたいグラビアカレンダーが発売され、女性ファンを意識してか裸の上半身や弾ける笑顔を披露しているプーチン63歳。まったくもって“びっくりぽん!”だ。

「ともすれば個人崇拝が生じる国。旧ソ連時代、歴代書記長はそれぞれに“語録”を刊行し、何百万部もバラまきましたが、そのひそみに倣ったのでしょう。政府としても何とか求心力を得、経済制裁で悪化する一方の国民生活を高揚したい狙いもあるのでしょう」

 とロシア事情に詳しい国際政治評論家は言うが、

「それにしても品がない。こんなに下がかった発言の多い指導者も珍しい」

 政敵に対しては〈金玉を掴まれなくとも法律には従うものだ〉、テロリストには〈トイレまで追いつめ、便器に顔を突っ込む〉……。

 それって“名言”なの?

週刊新潮 2016年1月14日迎春増大号掲載

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