【独占手記】「大相撲野球賭博事件」首謀者が激白! 全ては野球賭博の常習大関「豪栄道」の負け金400万円から始まった!――古市満朝

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■紙袋に入った札束

 豪栄道は古市道場で俺の親父が相撲を教えた子ですから、それこそ小学校1年生の頃から知っている。あいつが入門した時には俺はもう相撲取りをやめてヤクザになっていたのですが、たまに電話で話したり、別の元力士との花札を巡るトラブルでは間に入ったこともありました。

 で、事件が発覚する前の年、09年の春に弟が豪栄道の賭け金を俺のところに流してきたわけです。「豪太郎(豪栄道)がこんだけ張ってきとるけど、兄貴、どうしよ」と言うので、「ええよ、受けたるわ」とね。ただ、俺はその時点では豪栄道とは喋りません。あくまで豪栄道は弟のところに張ってる客やからね。弟が豪栄道の玉を流してきたのがその1回だったのかどうかは覚えていないんですが、とにかくその1回は豪栄道が400万の負け金を抱え、その後、それが事件につながっていったこともあってよく覚えているのです。

 弟が流してきた豪栄道の巨額の賭け金は俺のところだけでは受け切れないので、俺の母親を通じて、梓弓に流した。梓弓はその玉をどこにも流しておらず、そこで止まっている。だから梓弓が胴元なのです。

 400万の負けが確定した後、豪栄道に電話して「400万くらい負けてる。払ってくれんと困るぞ」と言ったのですが、「すみません、今すぐは無理なのでちょっと待ってもらえないですか」となった。

 野球賭博の支払いは週ごと、日曜日に締めて月曜日に「ツケサゲ」と呼ばれる金のやり取りをする。で、その週は豪栄道の分で400万円、自分の分で200万円の負けが発生し、俺と母親は梓弓から通天閣にある喫茶店に呼び出された。そこで俺は説明しましたよ。「これ、豪栄道の玉やねん。ちゃんと回収して払うから、もうちょっと待ったってくれへんか」と。梓弓は「分かりましたよ。ホンマ、勘弁して下さいよ」と言っていましたね。

 結局、その週に出来てしまった梓弓に対する借金は、10日後くらいに全く違うことで金を作って、豪栄道の分も立て替えて、全部で600万円を支払いました。それからしばらくして豪栄道は金をかき集めてきて、400万円の札束を紙袋に入れ、本場所中に弟に渡した。で、その金は弟から振り込みで受け取りました。

 それが09年の6月頃のことです。その時まで、俺と梓弓の間は全くの無風だった。が、その数カ月後、急に風向きがおかしくなった。まず09年の夏頃、梓弓がヤクザやチンピラを連れて俺の実家にやってきて、「金、払わんかい」と言うてきた。でも、俺が梓弓に払わなあかん金なんて一銭もないんです。確かに、豪栄道の件の前にも、梓弓に対して1000万円ほどの借金を作ったことがあったけど、それはとうに解決済み。すでに話したように、その後の豪栄道の負け金を含めた600万円も支払っています。

 同じ頃、琴光喜が勝ち金500万円を梓弓に請求した際も、梓弓は「古市さんが2000万円を支払ってくれないので、払うお金がない」と言ったそうです。結局、梓弓が金を払われへん理由を俺のせいにしているうちに、話が大事になってしまった、ということです。実際、俺は梓弓と電話で「どないなっとんねん!」と何度もやり取りし、直接会った時にも、梓弓は「古市さん、すんませんでした。(借金は)無いです」と言い切っている。

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