「渡辺喜美」が「松濤」豪邸から「三鷹」マンションに引っ越した勝算

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 議員バッジを失い、はや1年。渡辺喜美元みんなの党代表(63)は、高級住宅街である渋谷区松濤(しょうとう)の豪邸からより家賃の安い、三鷹市のマンションへと引っ越しを余儀なくされた。国政復帰を果たすべく、着々と準備も進めているようだが、勝算は如何に。

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父親は、68歳で膵臓がんを患いました。当然、父親の遺伝子を受け継いでいるわけで…食事制限も行って、80キロから68キロにまで減量しました

 文字通り、“落選すればただの人”となった渡辺元代表は、2015年の2月いっぱいで、松濤の豪邸を引き払ったという。

 事務所の関係者が明かす。

「無職になりましたから、節約しないといけないもので……。松濤には15年くらい住んでいましたが、外国人のファミリー向けの住宅で、家賃は月130万円でした。そこから、妻子とともに、三鷹市内のマンションに移った。それだけでなく、現職のときには、地元・栃木と東京の事務所で、パートを含め8人のスタッフが働いていましたが、いまは秘書2人に減らしています」

 さすがに、尾羽打ち枯らした様子なのは否めない。

 だが、永田町では現在、16年夏の衆参ダブル選という見方も広がっている。

 渡辺元代表は今後、どうするつもりなのか。

「地元では、“国政の舞台にもう一度上がってほしい”と言ってくださる方は結構いらっしゃいます」

 とは、本人の弁。

「これまでに、複数の政党から、“一緒にやりませんか?”とお誘いを受けましたし、新党立ち上げの話もありました。ですが、後援会の方々と最終的な話し合いをしていないので、まだ、なんらかの結論が出せる状況ではありません」

 とはいえ、“常在戦場”の心構えで、健康管理に努めているという。

「父親は、68歳で膵臓がんを患いました。当然、父親の遺伝子を受け継いでいるわけで、まずは血糖値を下げるために、ダイエットに励もうと。時間のあるときには1万歩ジョギングをし、腕立て伏せ、腹筋、スクワットなどの筋トレも欠かしません。昔みたいに、夜の会合を2つも3つも掛け持ちするようなこともなくなりましたし、炭水化物を夕食に摂らないなどの食事制限も行って、80キロから68キロにまで減量しました」(同)

■“おおさか”から

 一方、地元ではどう見られているかについて、ある市議が言う。

「月に1、2回、渡辺さんは地元に戻ってきています。これまでは秘書に代理出席させていた行事にも顔を出すようになり、那須塩原で9月に行われた“三恩人感謝祭”というイベントのときには、奥さんと長男も連れてきていた。現職中にはなかった、本当に珍しいことです。それでも、栃木3区のライバルである自民党の簗和生代議士は地元に住み、国会に新幹線通勤している。地元有権者と接触する機会ということでは渡辺さんと比べ、段違いの多さです」

 果たして、勝ち目はあるのか。

 政治評論家の浅川博忠氏が解説する。

「10月半ばに、渡辺さんは橋下徹大阪市長(当時)と話し合いを持ちましたし、現時点では、おおさか維新の会からの出馬が有力視されている。憲法改正に向けて、安倍自民党がおおさか維新の会と連立を組めば、自身も与党入りできると踏んでいるのではないでしょうか。でも、地元の声を拾ってみると、渡辺さんをもはや過去の人と見る向きもある。容易には勝てません」

 我に勝算ありとは、簡単にはいかなそうである……。

「ワイド特集 敵もさる者 引っ掻く者」より

週刊新潮 2015年12月31日・2016年1月7日新年特大号掲載

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