笑う門には福来るが科学的に実証されて「笑いヨガ道場」 「自己免疫力」を徹底強化する最新技術(2)
扉一つで隔てられた向こう側の空間から、一種異様な雰囲気が伝わってくる。集団が体操などを行い、動き回っているのは分かるが、それに伴い、ある感情が暴走しているのだ。勇気を振り絞って、扉を開けると、そこには目眩(めくるめ)くワンダーランドが待ち構えていた──。昨今、免疫力を高めると評判の「笑いヨガ」体験会に飛び入り参加してきたので、報告したい。「笑う門には福来る」は本当だった!?
***
「ハハハハハ」「ホホホ」
都心のスタジオに集まった面々は、男も女も、老いも若きも関係なく、全員が体を動かしながら、一心不乱に笑っている。ここは復活したお笑い『M−1グランプリ』の会場ではない。抱腹絶倒のコメディー映画が放映されているわけでもない。参加者たちは、ただ笑うことだけを目的に爆笑しているのだ。
「私たちが行っている『笑いヨガ』では、“ゲラゲラ筋”を鍛えます。これは表情筋や胸筋、腹筋など笑うための筋肉を指す」
こう話すのは、主催者で、「日本笑いヨガ協会」代表の高田佳子さんだ。
「笑いが健康に良いとは言われてきましたが、ではどうやって笑うかというと、漫才や落語など画一的な娯楽しかなかった。私たちは、物理的に体を笑えるようにするための方法論を模索してきた。結果、行き着いたのが、これだったのです」
精神科医で豊岡台病院院長の枝廣篤昌氏が解説する。
「笑いは副交感神経を優位にし、自律神経のバランスを調整する。NK細胞が活性化され、コルチゾールというストレスホルモンも下がるので、免疫力がアップするのです」
1991年、大阪ミナミの演芸場で、がんや心臓病の患者を含む19名に吉本新喜劇を見てもらい、その前後でのNK活性を検査するという実験が行われた。結果、鑑賞前の平均値が約34%だったのに対し、鑑賞後は約45%に上昇したという。
「笑いヨガなら横隔膜を使う腹式呼吸を採り入れているので、多くの酸素が吸収され、効果はより絶大になるかもしれません」(同)
高田さんのお勧めはイラストの「ホホハハ体操」。
ホホハハ体操
「唇を突き出し、“ホッホッ”と言いながら、2回、手の平で空気を押し出すようにする。次に口角を上げて“ハッハッ”と空気を押し下げるようにします」
本当に楽しそうに笑う彼女は健康そのもの。「笑う門には福来る」は科学に実証されていた。
「特集 厳冬に負けない『鋼の身体』に鍛える! 『自己免疫力』を徹底強化する最新5つの技術」より