「慰安婦」再燃し「朴槿恵」が竹島へ 日本列島が蒼ざめる「最悪シナリオ」2016(3)
「ここの自慢の料理はなんだい」と問う客に、「○○よ」と答える経営者。「他には?」「それのおかわり」。
気の利いた映画の台詞を集めた『お楽しみはこれからだ』(和田誠著)と現実は言うまでもなく懸隔(けんかく)している。韓国の朴槿恵大統領(63)は、いつまで慰安婦問題のおかわりを続けるのか。
去る12月17日のこと。朴大統領の名誉を傷つけたと起訴されていた産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に、無罪判決が下った。拓殖大学教授の呉善花氏は、
「その代わりに慰安婦問題で譲歩しろ、という韓国政府の思惑が透けて見える」
と嘆じるばかり。目下かの国では、慰安婦を巡るある裁判が注目されている。すなわち、慰安婦の強制連行を否定する論考が名誉毀損にあたると起訴された朴裕河(パクユハ)・世宗大教授の件である。
「韓国には、その時の国民感情によって判決が左右される『国民情緒法』という文化がある。反日感情が依然として高いいま、朴教授に有罪判決が下される可能性が限りなく高いのです」(同)
結果、反日気運がエスカレートするのは必至。加えて、13件にまで膨れあがった日本企業に対する元徴用工の損害賠償訴訟も“情緒”が罷り通り、日本企業の敗訴が相次ぐというのである。
任期があと2年となり、レームダック化しつつある朴政権にとって、国民が一丸となる反日ムードの醸成は僥倖そのもの。これに乗じ、朴大統領が切るのが、他ならぬ竹島上陸カードである。元時事通信ソウル特派員の室谷克実氏の解説。
「12年8月、任期切れ間近の李明博大統領は、“歴史に名を刻む”として竹島に上陸しました。同様の立場に置かれた朴大統領が、それに倣(なら)うことは大いにある」
とはいえ、新味に欠ける「竹島上陸」というおかわりでは、国民は程なく食傷するであろう。
「ですから、朴大統領はより過激な手法に出る。具体的には竹島周辺を航行する日本船の撃沈。06年の盧(武鉉)政権では、日本の測量船が竹島に近づいたら“警備艦と衝突させて撃沈せよ”と命令していたから、根拠のない話ではありません」(同)
映画にありそうなプロットを現実のものとするシナリオライターは、卑にして陋(ろう)なるものの極みである。
「特集 日本列島が蒼ざめる『最悪シナリオ』2016」より