身近な食材「ベスト・イレブン」による最強レシピ 「自己免疫力」を徹底強化する最新技術(1)

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 太古の昔、生物の寿命を決定づけていたのは、生来の免疫力の差。それと口にできる食べ物奈何(いかん)であった。そこで免疫力を最大に高め、この冬を医者いらずで乗り切るための食材「ベスト・イレブン」とそれらを連動させた最強料理をご紹介したい。レシピのプレゼンターは料理研究家歴20年の管理栄養士、村田裕子さんだ。

Dr.週刊新潮 2017 病気と健康の新知識

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身近な食材

 下でご覧いただくのがそのレシピだが、まずはイレブンの顔ぶれとプロフィールからお伝えしよう。

【1・ニンニク】 米国立がん研究所ががん予防フードのピラミッドの頂点に認定。アリシンという成分に強力な免疫増強作用や抗ウイルス作用がある。

【2・キャベツ】 イソチオシアネートという成分は、肝臓内の解毒酵素の働きを促進し、がん細胞を抑える。

【3・ヨーグルト】 善玉菌のエサとなる乳酸菌が腸内フローラの環境を良くし、免疫力をアップさせる。

【4・納豆】 大豆に含まれるサポニンは強い抗酸化作用がある。納豆には、スーパーオキシドデスムターゼというさらに強力な抗酸化物質が含まれる。

【5・刺身(鮭・青魚)と生卵】 生魚や生卵にはアミノ酸の一種、グルタミンが大量に含まれており、リンパ球の栄養分になる。熱すると壊れるので生で摂るべし。鮭にはアスタキサンチンという色素があり、強大な抗酸化作用がある。また青魚のEPA、DHAにもがん発生を抑える疫学調査の結果が出ている。卵黄には、抗酸化ビタミンも多い。

【6・鶏の胸肉】 鶏肉のカルノシンやアンセリンというアミノ酸に抗酸化効力がある。とりわけ胸肉には、イミダペプチドという「抗疲労成分」も多量に含まれる。冬季、長距離を飛ぶため、渡り鳥の胸肉には、この「抗疲労成分」が凝縮されているという。

【7・海藻類】 コンブ、ワカメ、メカブなどには、フコイダンというぬめり成分が含まれている。免疫機能を向上させるインターフェロンを増やす働きがあり、がん予防に効果がある。

【8・ブロッコリー】 スルフォラファンという成分には、解毒酵素の働きを活性化し、発がん物質を無毒化する作用や、優れた抗酸化作用がある。発芽後2~3日の「ブロッコリースプラウト」が最も濃度が高くなることが分かっている。

【9・ニンジン】 βカロテンには活性酸素を強力に除去する作用があり、細胞のがん化を抑える力を持つ。

【10・キノコ類】 βグルカンという免疫力増強に有効な成分が含まれる。

【11・リンゴ】 皮の部分の食物繊維ペクチンには善玉菌の繁殖を促す効用があり、大腸がんを予防。抗酸化作用をもつ10種のポリフェノール成分も含まれる。

 がん予防と食事の関係に詳しい、西台クリニック画像診断センターの済陽(わたよう)高穂院長が解析する。

最強レシピ

「活性酸素に対してはポリフェノール、DNAの損傷には野菜の葉酸が有効といった具合に、食材には『生体防御機能群』と呼ばれる栄養素が存在します。うまく摂取して、がん予防につなげていただきたい」

 レシピを考案してくれた村田さんがポイントを語る。

「セレクトされた食材は抗酸化機能が高いものが多いと感じました。今回は冬ですから、それにプラスして、体を温める料理になるよう意識しました」

 体だけでなく、心もほっこりしそうな手料理である。

「特集 厳冬に負けない『鋼の身体』に鍛える! 『自己免疫力』を徹底強化する最新5つの技術」より

週刊新潮 2015年12月31日・2016年1月7日新年特大号掲載

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