「株価3カ月予報」 最大「2万2000円」にこれだけの条件

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「“未(ひつじ)辛抱、申(さる)酉(とり)騒ぐ”という相場格言があります」

 と、ある証券アナリストは言う。確かに未年の2015年の日経平均は、最高値で2万952円をつけ、一時は“2万2000円突破も”と騒がれたのだが、後半は乱高下が続き、投資家にとってはまさに“辛抱”の年だったのだ。だが、

「“申酉騒ぐ”とは、相場が上がるということ」(同)

 ならば明けて2016年、“2万2000円”まで上がることを期待できるのか。そこで向こう3カ月の予報をしてみれば……。

「晴れの日が続く、と見ていいと思います。3月頃には2万2000円まで上がることもあるでしょう」

 と言うのは、経済ジャーナリストの田部正博氏。でも12月には、今後の市況に影響を与えるような内外の動きがあった。

「FRB(米連邦準備制度理事会)の金利引き上げは、夏の“上海ショック”ほどの衝撃はありませんでした。長く“やるやる”と言われ続けていたため、市場はすでに織り込んでいたからです」(同)

 むしろ、日銀による金融緩和の補完措置導入に意味がある。

「日銀がETF(上場投資信託)の新たな買入枠を設定することで、資金をさらに株式市場に流し込むことになります。これはやはり刺激になる。しかもあくまで“補完措置”ですから、追加緩和という“黒田バズーカ”を温存したことにもなるのです」(同)

 もし相場が右肩下がりになっても、すぐにバズーカを放つことができる。

「“安心してください、株式は買いますよ”と、安心感を与える効果があるのです」(同)

 もっともバズーカの弾にも限りはあるが。

■早期のバズーカを!

 さらに1月からは、NISA(少額投資非課税制度)の枠が年間120万円に拡大される。

「個人投資家の資金が新たに入ってきて、市場を活性化させる。株価が上がる条件は、すでに相当揃っているのです。その上、夏には参議院選挙。アベノミクスの効果や、その期待度を票に結び付けるためにも、安倍政権は何が何でも株価を上げる方向に動くでしょう」(同)

 一方、さらに先まで視野を広げ、“一時的に晴れるもその後は下り坂。いったん土砂降りになり、その後晴れてくる”と見るのは、株式評論家の植木靖男氏だ。

「日本株が上がる条件は、円安と米国株の上昇なのですが、まず米国株が上がるかどうかが疑問なのです」

 金利引き上げは、景気の回復基調をバックに行われたはずだが、

「消費は堅調ですが、製造業がうまくいっていない。そこに金利引き上げでドル高になれば、輸出が伸びません。またエネルギー安での落ち込みもあるので、米国株が上がるとは考えにくい」(同)

 米国株が上がらず、それによって為替がドル安に振れてしまえば、企業業績が悪化して日本市場も下げ基調になりかねないが、

「日銀の補完措置や、3兆3000億円規模の補正予算もあり、1月中は2万円を狙うところまで上がるかもしれません」(同)

 問題はその後だ。

「調整色が強まって下げ基調となり、5月か6月には、1万6000円あたりまで下げる可能性があります」(同)

 09年以来上がり続けてきた株価だが、変動のサイクルがおおむね6年ということを考えれば、ある種の必然として下げ局面に入る、というのである。

「下げを最小限に抑え、後半に2万2000円を目指すには、早期の追加金融緩和が絶対に必要です。場合によっては消費税増税の再延期も視野に入れるべきでしょう」(同)

 株価の下支え、さらなる上昇には“黒田バズーカ”第3弾が必要だが、果たして“申”は騒ぐか─―。

週刊新潮 2015年12月31日・2016年1月7日新年特大号掲載

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