中国で“爆売れ”!? カナダ産「空気スプレー」の値段
窒素78%、酸素21%、アルゴン0・9%に二酸化炭素0・04%……空気なんてどこでも一緒、と言うなかれ。高所では薄くなり、多湿地では水蒸気が増し、都市部では排ガスなどから窒素酸化物の比率が大きくなるのが道理。空気中を漂う物質は地域によって多種多様、中国に行けば当然PM2・5を含む濛々たる空気と接さねばならない。
「18日、深刻化する大気汚染に北京市が2回目の“赤色警報”を発令しましたが、カナダのベンチャー企業、バイタリティ・エア社がロッキー山脈の新鮮な空気を詰め込んだスプレー缶を売り出したところ、初回出荷分を4日で完売したそうです」(国際部記者)
創業者の2人が14年、ジョークのつもりで地元国立公園の空気を詰めたビニール袋をインターネット・オークションサイトに出品したところ、当初100円程度の値はあっという間に2万円近くまで上昇。これはビジネスになる、と会社設立に到ったのだという。
「サイズによって価格は異なりますが、7・7リットルの圧縮空気が詰まった缶が100元(約1900円)。150回ほどスプレーできるそうですが、中国ではミネラルウォーターの50倍以上の価格です」(同)
現在は初回出荷分500本に追加して、さらに4000本を中国に送り出しているそうだが、そちらもすでにほぼ売約済み。顧客は大気汚染に悩まされている中国北東部や南部の都市部住民が過半を占めるという。
カナダの空気まで“爆買い”する窮状は同情に足るが、いっそ日本の空気も売れぬのか。「富士山 空気の缶詰」販売元に聞くと、
「中国のお客様が増えたということは、特に……」
富士山の空気の方がおいしいんじゃないかなあ。