「産経」支局長「無罪」に「朝日」の怪しからん「社説」
〈言論の自由を保障した法に照らし、当然の判決〉
天下の朝日新聞がかようにも力強く書き始めたのは、12月18日付「産経記者判決 無分別な訴追終結を」と題した社説である。
この前日、韓国のソウル中央地裁は、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に無罪の判決を言い渡した。
問題とされた記事は、2014年4月におよそ300名もの死者を出した大型フェリー「セウォル号」の沈没事故がきっかけ。
世界中で事故が報じられたその当日に、朴大統領が7時間にわたって所在不明となっていた信じ難い事実に、男と会っていたのでは?といううわさがあることを朝鮮日報が報じ、それを産経ウェブサイトで紹介したのが同年8月3日。
どういうわけか産経だけが大統領への名誉毀損に当たると起訴され、懲役1年6月もの求刑がなされた。晴れて無罪となったのは、朝日ならずとも当然だが、この社説、後味が悪い。
「なんであんなことを書くのかねえ」
と元朝日新聞編集委員の川村二郎氏が呆れたのは、社説の最後。“うわさ”が虚偽であることを認識しつつ紹介したことを、〈報道機関としての責任をまっとうしたとは言えまい〉と断じ、〈いずれにせよ、この問題は、日韓間の懸案の一つだったのは間違いない。一刻も早く終止符を打ち、両政府は慰安婦問題など大きな課題の解決に全神経を注ぐべきである〉と続く。
「韓国の新聞が書いたならまだわかるが、いったい朝日はどこの国の新聞なのか。今回の裁判と慰安婦問題は関係がないし、朝日はそもそも慰安婦問題で訂正したのだから。この社説は天に唾するようなもの」(同)
しかも朝日が訂正記事を出したのは同年8月5日。韓国大統領府が民事・刑事での責任を問う方針を示し、加藤支局長を出国禁止としたのがこの2日後。まるで朝日に裏切られた韓国が、産経で敵を取ったかのよう。
「こういうことを書けば、朝日は産経が無罪になったのが悔しいのかと、邪推される恐れすらある。社説は、たとえ悪意をもって読まれても真意が伝わるように書かなければ社説の責任をまっとうしたとは言えまい」(同)
過去の払拭に躍起の朝日は、旭日旗によく似た社旗を変えるとの“うわさ”も。