“天下の東芝”のカゲに「不正会計」36社

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 総合商社2位の伊藤忠商事、ドラッグストア首位のマツモトキヨシホールディングス、そして持ち帰り寿司チェーンの小僧寿し。一見、関係のなさそうな3社だが、実はいずれも不正会計が発覚した企業なのだ。

 小僧寿しのホームページに11月30日、こんなタイトルの“お知らせ”が掲載された。

〈調査委員会からの最終報告書の受領について〉

 その中身を見ると、“架空取引による不適切な仕入高の計上および支払処理”と記されている。経済誌の外食担当記者によれば、

「取引先から小僧寿しへ出向していた社員が、約2年間に架空取引で8276万円を不正に支出していたのです。その影響で、小僧寿しは一昨年12月期から今年6月中間決算までの修正を余儀なくされました」

 東芝のそれとはゼロの数が4つも違うこともあり、小僧寿しの“不正会計”は大きく報じられていない。

「実は、“不正会計”が発覚しても、東芝のカゲに隠れていた上場企業は少なくありません」

 こう指摘するのは、ベテラン証券ジャーナリストだ。

「12月初頭で、不正会計が発覚した上場企業は36社。一昨年度は38社で、昨年度が42社でしたから、来年3月までに“過去最高”になる勢いです」

 命取りにもなりかねない“不正会計”が、増加しているのはなぜか。

「東芝のように組織ぐるみの“不正会計”は別にして、持ち株会社制に移行して、子会社や関連会社の数が増えたことで内部監査の目が届きにくくなった。また、海外企業との取引が増加し、複雑化しているのもチェックが甘くなる理由でしょう」(同)

 ちなみに、“不正会計”発覚は内部通報が一番多いという。

週刊新潮 2015年12月17日号掲載

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