【「原節子」の後半生】隠し撮りジャーナリストにカレーをふるまったメディア攻防戦

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「引退」後の原節子は、穏やかな隠遁生活を送る一方、マスコミの接触を頑なに拒んできたことで知られる。数多挑んでは跳ね返されてきたこの壁から、頭を覗かせた唯一のジャーナリストが、斎藤充功(みちのり)氏(74)。ふとしたことで、手作りカレーをふるまわれたというのだ。

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 1989年、昭和が終わりを告げた年の晩秋である。

「あの時の方ね。フィルムを有難うございました」

 垣根越しに挨拶した斎藤氏に、庭の中からそう微笑みかけた、齢69の原節子。...

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