本当だったら嬉しいけれど――『「病気知らず」の体をつくるビール健康法』なる健康本

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“ふくらはぎを揉め”だとか、“高血圧はほっとけ”だとか、世にはびこる健康本では様々な健康法が提案されている。身近な食べ物や飲み物によって病魔から逃れられる、と主張するのは、小石川東京病院の大川章裕院長だ。『「病気知らず」の体をつくるビール健康法』という本を書いている。

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本当だったら嬉しい『「病気知らず」の体をつくるビール健康法』

 その内容は、ビールの原料であるホップには、赤ワインに引けを取らないポリフェノールが含まれ、病気や老化の原因となる体の酸化を防ぐ効果がある。認知症や動脈硬化、骨粗しょう症の予防にもなり、普段から口にするビールなので、続けやすい健康法だと太鼓判を押すのだ。

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 それに真っ向から反対するのは、『健康法で死なないための42のカルテ』の著書がある、東京有明医療大学の川嶋朗教授である。

「ホップが抗酸化物質を含んでいるのは間違いありません。ですが、ビールでなくても、トマトやニンジン、バナナなど他の食材で、いくらでも抗酸化物質は補給できる。健康を害するリスクのあるアルコール飲料で、摂取しなければならない理由はありません」

 結局、ビールを飲みたいがための口実に過ぎないのではないかという。

 実際、大川院長に聞くと、

「ワイン健康法の本は山ほど出ているのに、ビールは取り上げられることがありませんでした。ですから、ビールの誤解を解き、本当は健康効果があることを知ってもらって、もっとビールを楽しめるようにしたかったのです」

 やはり、ビール好きのための健康法かも……。

「特集 巷にはびこる『怪しい健康法』の真贋判定」

週刊新潮 2015年12月3日号掲載

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