「阿藤快さん」がまだ笑顔だった「ドクターG」

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 NHK総合の『総合診療医 ドクターG』は、患者が訴える症状を基に研修医が病名を探る医療バラエティ。12月3日の放送では、先日大動脈瘤破裂で亡くなった俳優の阿藤快が出演する。ドラマや映画以外で物故者の出演番組を放送するのは異例。ましてや医療もの。

「“生涯俳優”の阿藤は、最期まで現役でした。ご親族からもぜひとのことでしたので、放送を快諾しました」

 とは阿藤のマネジャーだ。

 9月20日に収録された回のテーマは「腹がひどく痛む」だが、当時の阿藤が不調を訴えることはなかった。

「9月、10月は働きづめでした。ドラマは『下町ロケット』(TBS系)や『BARレモン・ハート』(BSフジ)、講演や舞台、映画の舞台挨拶もこなしていました。でも、この2カ月でやりたいことは総てやり終えたと思っています」(同)

 なかでも『下町ロケット』では、キャリアの長い阿藤だが初の弁護士役だった。

「都立大法学部卒の阿藤は弁護士志望でしたから、張り切っていました」(同)

 強面ながら笑顔が人なつっこい阿藤に変化が訪れたのは10月半ば。背中がひどく痛むと言い出したのだ。

「普段は健康に非常に気を使う人だったので、11月10日からの久しぶりに取れた連休に医者に行くことを勧めたのですが……」(同)

 11月14日、誕生日のお祝いメールを送ったが返事がない。休み明けとなる翌日に、自宅で眠るように息を引き取った阿藤が発見された。

 享年69。『ドクターG』が、阿藤が遣した最後のテレビ番組となる。

週刊新潮 2015年12月3日号掲載

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