ジャンボ宝くじ「10億円」へのアプローチ

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 日頃、相場がああだ利回りがこうだと、懸命に知恵を絞って資産運用や投資に取り組んでいても、やはり一攫千金の夢も捨て難い。その夢を見る時期が、今年もやってきた。
 第688回全国自治宝くじ――年末ジャンボ宝くじが11月25日、全国同時に発売された。
 目玉は、1等7億円、前後賞各1億5000万円を合わせて10億円という、宝くじ史上最高額の当籤金だ。
「私どもは常に魅力ある商品づくりを進めております。年末ジャンボ宝くじはすでにイベントとして定着しており、また売り上げも大きいことから、お客様の“より高額の当籤金を”という声にお答えする形で、この金額としました」(全国自治宝くじ事務協議会)
 だが1等当籤金の増額と同時に、重要な変更も行われた。1等の当籤確率が、昨年までの1000万枚に1本から2000万枚に1本と半減したのだ。
「当籤金は宝くじ売り上げの50%までと法律で決まっており、2等以下の当籤金も昨年と同様以上にするために、1ユニットを10万枚×100組から200組に増やしました」(同)
 宝くじ評論家の長利正弘氏に解説してもらうと、
「昨年と同じ1ユニット1000万枚だと、売り上げ金30億円のうち15億円が当籤金の総額で、そのうち10億円が1等と前後賞になると、残りは5億円。さらに6等当籤金300円の総額が3億円ですから、残り2億円で2等から5等の当籤金をまかなうことになるので、1ユニットの中身を2倍にしたのです」
 長利氏はその分、2等以下に旨味が出てきた、と指摘する。
「1ユニットの販売枚数を2倍にするなら、本来1等・前後賞は14億円になってもいいのですが、それが10億円に抑えられていますから、差し引き4億円分が2等以下に配分されたと考えることができるのです」

■前後賞や2等以下を狙え

 では、夢に近づくにはどうすればいいのか。まずは購入する売り場だ。その双璧は、東京の西銀座チャンスセンターと、大阪の大阪駅前第4ビル特設売り場。さらに広島市、大分市、山口県宇部市など地方都市にも、高額当籤がよく出る売り場は存在するが、
「これらはあくまで実績。抽籤結果が出るまでは、確率は同じといっていいです。それでも人気の売り場があるのは、ひとつには“大きい売り場で買えば確率が高くなるかも”という安心感、もうひとつは“高額当籤が出た売り場のツキを呼び込みたい”という心理が働くからです」(長利氏)
 では買い方で勝負しよう。
「1等7億円は本当の夢。ならば前後賞の1億5000万円や、2等以下に狙いを定めるほうがいい」(同)
 そのための方法として、
「おすすめは、全国の大規模売り場で買える“縦バラ”。下1ケタが0〜9のバラを3組買うのですが、全部をばらして並べ替えると、3枚の連番が10セットになるというものです。これは1等や前後賞に引っかかりやすい」(同)
 一方、西銀座と大阪駅前限定で購入可能なのが、“特バラ”と“縦連”だ。
「“特バラ”は、下2ケタの00〜99が並んでいるバラ100枚のこと。これだと5等3000円1枚と6等300円10枚が必ず当たるので、実質2万4000円で宝くじが買えます。“縦連”は100枚の連番で、これも6000円は必ず当たります」(同)
 さらに、長利氏考案の買い方が“勇者買い”。
「下2ケタが同じ数字の連番を複数買うやり方です。例えば組の違う“20〜29”連番を3セット買うと、6等の300円×3枚は確定。さらにもし5等が当たると、3セット全部に3000円当たるので、購入代金を回収できるのです」(同)
 夢を追うにも知恵は絞るべし――。

週刊新潮 2015年12月10日号掲載

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