JT“1280円”高級たばこが免税店限定のワケ

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 喫煙禁止地区の増加、増税議論では真っ先に俎上に載せられるたばこ税、そして声高に叫ばれる健康被害。巷に溢れかえるのは、喫煙者が耳を塞ぎたくなるようなニュースばかりだ。そんな中、日本たばこ産業(JT)が12月中旬に高級たばこを発売するという。

 その高級たばこは、『メビウス・プレステージ』だ。1箱20本入りでタール10ミリグラム、ニコチン1・0ミリグラム。パッケージは、黒を基調としたメタリックケースを使用している。

 外見もさることながら、これまでの『メビウス』との最大の違いは値段。なんと! 1箱1280円ナリ。従来品が1箱430円だから、実に約3倍もするのだ。一体、何が違うのか。JTのマーケティング戦略部にその理由を聞くと、

「最高級にこだわり、開発を始めたのは07年から。100種類を超えるたばこの葉をブレンドして試作品を作り、それを喫煙者に試してもらい、“一番美味しい”と答えた物を使用しました。フィルターも、エンボス加工で上質なくわえ心地を実現しています」

 愛煙家ならば一度は吸ってみたい。そう考えるはずだが大きな障害がある。

「プレステージは、成田空港など全国5カ所の空港免税店での限定発売です。10缶入り1ボックスの販売で、1缶ではお売りしません」(IR広報部)

 ということは、1万2800円出さなければ味わうことができないのだ。ならば、市販されるまで待つしかないのだが、

「メタリックケースの製作にもこだわっているので、現時点では大量生産が難しいのです」(先のマーケティング戦略部)

 年末年始、免税店に立ち寄る機会があったら、嫌煙家の妻の目を盗んで、財布と相談してからトライしてみてはいかがか。

週刊新潮 2015年12月3日号掲載

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