官邸の腫れ物「飯島勲」内閣参与が「朝青龍」をヨイショの理由

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 かつては“角界きっての暴れん坊” に、“官邸のラスプーチン”の異名で恐れられた強面な2人――。そんな脂っこい取り合わせの対談が、永田町に波紋を呼んでいる。古希を迎えた飯島勲内閣官房参与が、ガラにもなく“元不良横綱”をヨイショする背景には、自身への風当たりの強さに対する焦りが透けて見えるのだ。

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 実際、飯島氏は、朝青龍を総理官邸4階にある執務室に招き、これでもかとばかりに褒めちぎっている。

〈横綱は、日本の歴史でいうなら三菱グループの創業者・岩崎弥太郎のような存在〉〈私利私欲でお金儲けをするのではなくて、愛国心をしっかり持ってビジネスの世界に乗り出している〉「PRESIDENT」(10月19日、11月2日号)に掲載された対談は、あからさまな“ヨイショ”攻勢で占められる。

 とはいえ、小泉政権でを辣腕を振るった策士が、度重なるトラブルの末、暴力沙汰で角界を追われた“元不良横綱”を持ち上げるのに理由がない筈がない。官邸担当の記者が明かすには、

「正直、最近の飯島さんは官邸で影が薄い。同じ参与でも、安倍総理の経済ブレーンを務める浜田宏一さんに担当を置く社はありますが、飯島さんには……。わざわざ官邸で朝青龍と対談したのも、モンゴル人脈を見せつけて存感を示したかったからだと思います」

 特命担当の参与に就いた当初、飯島氏は小泉訪朝の立役者として拉致問題解決のキーマンと見られていた。

「参与就任から間もない一昨年5月の電撃訪朝には記者も色めき立ちましたし、朝鮮総連の許宗萬議長と太いパイプを持っているのも間違いない。ただ、北朝鮮本国と総連との関係が冷え切ったいま、それも有効な人脈ではなくなった」

 そこで、北朝鮮と国交を持つモンゴルルートをアピールし始めたワケだが、政治部デスクによれば、

「モンゴルを介した拉致問題の解決は暗礁に乗り上げているので、今更感は否めません。外務省や拉致問題対策本部の幹部が、飯島さんにお伺いを立てているとも聞かない。あの人に相談するとメディアに筒抜けになりますからね」

■100%ない!

 得意の“インテリジェンス”を用いようにも、

「新閣僚を選ぶ際の“身体検査”は、警察庁OBの杉田和博官房副長官が仕切っています。つまり、ここにも飯島さんの居場所はない。もちろん、結果を出さなくても官邸に出勤すれば、約2万7000円の参与の日当は貰えますが」(同)

 聞こえて来るのは希薄な存在感と、腫れ物に触るような対応ばかり。飯島氏ご本人に尋ねると、

「朝青龍との対談は、彼が引退後にモンゴルの大統領や外務大臣のアドバイザーとして活躍していることを知ってもらいたかっただけ。人脈をアピールする意図は100%ありません! それに、存在感なんて薄くていいんです。私は特命担当だから仕事の内容は表に出せない。まぁ、安倍総理には裏で報告してますけどね」

 特命が“特に密命を帯びていない”の略にも思えるが。

「ワイド特集 ふとどき者ほどよく眠る」より

週刊新潮 2015年11月26日雪待月増大号掲載

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