3選手の契約解除で済まない賭博常習「巨人軍」に原前監督の責任
「勝負の運は時の運さ。お前さん、なかなかの打ち手だよ」「役満は幾らだ? ダブル役満は?」映画『麻雀放浪記』のワンシーンのような切った張ったが、巨人軍選手の日常風景になっていたという。球団は渦中の3選手との契約解除を表明したが、一方で原辰徳前監督(57)の管理責任には、なぜか言及しなかった。
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巨人軍は11月9日の会見で、福田聡志投手(32)、笠原将生投手(24)、松本竜也投手(22)の契約解除と原沢敦球団代表(59)の引責辞任を発表した。その理由は、新たに福田ら3人を含む10人の選手が賭け麻雀を、11人が賭けトランプを行っていたことが判明したからという。自ら進んで暗部を公表したわけだが、運動部記者は首を捻る。
「日本野球機構が3週間前に配布した報道発表文には、笠原投手が『ゴルフの勝敗に関して金銭を賭けて賭博』と明記されていた。ところが巨人の会見では、賭けゴルフがすっぽり抜け落ちていたのです。今回の騒動がゴルフをこよなく愛する原前監督に飛び火することを恐れ、球団が意図的にネグったと見られています」
球界でも、原前監督のゴルフ好きはつとに有名だ。
「腕前はシングルで、時にはアンダーパーで回る程の玄人はだし。以前は球界引退後にシニアプロに転向するという話もありました」
オフに入ると、連日のように不動産業者などタニマチ筋とゴルフに興じているという。関係者が明かす。
「原さんがタニマチ筋と行くのは、会員の同伴が必要な名門クラブがほとんどです。気の置けない仲間が相手だけに、世間のサラリーマンと同様、額の大小はともかく、お金を賭けて腕を競うことはあるでしょう」
先の運動部記者も言う。
「巨人は日本シリーズやリーグ制覇を果たしたシーズンのオフは、ハワイやオーストラリアに祝勝旅行に行くことがある。その際、原さんは毎日のようにコーチ陣らとゴルフに出かけていきます。キャンプ中でも、休みの日にはラウンドしていた時期があるほどです」
■不測の事態
シーズンを通して、連日「勝った」「負けた」を繰り返すプロ野球界。監督にとっては試合の采配も、当たれば「名将」、外れれば「愚将」と評価が分かれる「賭け」とも言える。そんな原前監督がコーチやスタッフとコースに出れば、多少の賭けが行われていないという方が不自然な話かもしれない。
社会部デスクによると、
「その辺りにナーバスになって、球団は賭けゴルフを調査対象にできなかったようです。詳しく調べた時の不測の事態に備えて、フタをしたとも見えるのです」
だが、監督は技術に留まらず選手に範を示して、私生活でも指導や監督をする立場にある。加えて問題なのは、原前監督がこれまでの責任に目を瞑り、来年1月に球団特別顧問という要職に就任することだ。
そこで、球団に原前監督が賭けゴルフを行っていた事実の有無や、現役3選手が契約解除に至った管理責任について尋ねると、
「当球団の調査の内容は、9日に発表したとおりです。なおゴルフに関して、当球団としては、NPBの調査で明らかになった事実以外、現時点で問題があるような行為は把握していませんが、引き続き実態把握に努めます」(読売巨人軍広報部)
球団は、このまま事態が収束する方に賭けたようだ。