「常陽&足利」銀行統合の直前に「森金融庁長官」爆弾発言

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 地方銀行、第二地方銀行に再編の嵐が吹いている。先日も、茨城県の常陽銀行と栃木県の足利銀行が統合再編を発表したばかり。実は、その発表直前、金融庁の森信親長官(58)が爆弾発言をしていたのだ。

 毎月、金融庁は地方銀行や第二地方銀行の頭取たちと金融行政懇談会を開いて“行政指導”を行っている。10月の懇談会には、金融庁からは遠藤俊英・監督局長、三井秀範・検査局長、そして森長官らが出席。森長官は笑顔で検査方針の概要を語り始めた。

「私は検査局長、監督局長を務めていた過去2年で、様々な面で創意工夫に取り組んでいる銀行があることを知った。一方で、そうでない銀行も少なくないのではないかと感じたのです」

 さらに、森長官は、

「すべての銀行が同じビジネスモデルになる必要はない。個性的な経営を行う方が多様性もあっていいが、なかにはこのまま経営を続けていて大丈夫か、と不安になる金融機関も正直言って少なくない」

 この発言には、居並ぶ頭取たちの表情が凍りついたという。出席した頭取の1人は驚きを隠さず、

「森長官の発言は地銀、第二地銀の統合を本格的に進めると宣言したのに等しいでしょう。これまで監督官庁のトップが、銀行の経営不安を口にすることは絶対にありませんでしたからね」

 また、別の頭取は、不安げな表情でこう言った。

「森長官は“一番悪いシナリオを想定して、大丈夫かと考えて欲しい”とも言っている。今回の経営統合は、水面下で金融当局の“行政指導”があったことは明白。足利銀行は破綻後に再上場したが、県内に優良融資先が多いとは言い難い。生き残りのために、当局の意向に従ったのでしょう」

 再編の嵐は、ますます強くなる。

週刊新潮 2015年11月12日号掲載

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