「橋下徹は神なのか」“天敵”適菜収氏が指摘

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 5月17日の住民投票を「最初で最後のチャンス」と言い切りながら、敗北を喫した橋下徹大阪市長。舌の根も乾かぬうちにおおさか維新の会を結党し「大阪再生のためにもう一度都構想の賛否を問う」と言い出した。彼はウソつきなのか?

「詐欺師なんだからウソをつくのは当然でしょう。それが商売なんだから」と喝破するのは作家で哲学者の適菜収氏だ。適菜氏は「新潮45」11月号で「また『大阪都構想』を持ちだした橋下徹」と題した記事を発表。そのなかでは「詐欺師」という厳しい言葉も飛び出した。

橋下に睨まれた2人

 適菜氏といえば、同じく「新潮45」5月号で書いたルポルタージュ「これぞ戦後最大の詐欺である」で、維新の会がタウンミーティングで多くのウソをついていたことを暴き、大阪都構想否決への流れを生み出した論客の一人。先ごろ大阪維新との対立を背景にABC朝日放送の番組を降板させられた藤井聡・京都大大学院教授と並び、「橋下維新」を批判し続けてきた。

 先月刊行された適菜・藤井両氏の共著『デモクラシーの毒』(新潮社刊)の中でも、「ウソをつくのが上手なだけの詐欺師に権力を掌握させてしまった」と厳しい橋下氏批判を展開、ニーチェやオルテガ、三島由紀夫ら先人の知恵を引きつつ、大衆民主主義に内在する「全体主義」の危険性を訴えている。

シンポジウム「豊かな大阪をつくる~『大阪市存続』の住民決断を踏まえて~」で、藤井聡氏の話に聞き入る聴衆の様子(2015年11月1日 大阪市立大学開催)

橋下徹は神である!?

 前掲の「新潮45」11月号の記事の中で、適菜氏は、橋下氏が都構想に関して何度も財政効果について数字の粉飾、ねつ造を行ってきたと指摘、橋下市長の本性を「職業的デマゴーグ」であると結論付けている。そのうえで適菜氏はこう述べる。

《さらに制度を移行するための初期投資に約600億円、年間コストが約20億円かかる。明らかにマイナスだ。
 そしたら住民投票直前に橋下が何を言い出したか。
「財政効果は無限」と言ったんですよ。
「財政効果は無限」と言ったんですよ。
「財政効果は無限」と言ったんですよ。
 興奮して3回書いてしまいましたけど「無限」ですよ。
 無限って、世界の総資産より大きい数字ですよ。いや、それどころではない。宇宙全体のあらゆる価値より大きい。なにせ無限ですから。
 普通に考えれば次のつのうちのどちらかである。すなわち、橋下は神であるか、デマゴーグであるか。》

 折りしも11月22日、大阪府知事選、市長選のダブル選挙を控え、橋下派・反橋下派の争いも激しさを増しているようだ。

デイリー新潮編集部

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