「維新の党」分裂の事の発端 「柿沢未途」前幹事長がぶちまける! 「橋下徹大阪市長の嘘八百とイチャモンに呆れた」
ツイッターで人を罵ることにかけては、政界一の橋下徹大阪市長(46)。袂を分かった維新の党の国会議員も形無しである。しかし、ついに柿沢未途前幹事長(44)が重い口を開いた。橋下市長による数々の嘘八百、イチャモン、朝令暮改には呆れるほかないというのだ。
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「柿沢未途」前幹事長がぶちまける!
端的に言ってしまえば、今の橋下さんは、自分の都合のために嘘をついて、イチャモンを付けているに過ぎません。全く無理筋の要求を突き付け、(維新の党の)執行部を困らせ、騒ぎを大きくしようとする。当初は分党を求め、今でこそ解党すると言い出しましたが、こんな騒ぎを続けてもしょうがないから、幾らか貰って解決するつもりだった。これでは、強請(ゆす)り、たかりをやっているのと同じではありませんか。
そもそも彼は、大阪都構想も含め、一度やると言ったらやり通すことで評価されてきた。けれど、今回の騒動では、一旦言ったことを縦横無尽に引っ繰り返したり、ゆがめたりして、嘘八百で塗り固めながら正当化しようとしている。こういうやり方は、これまで評価されてきた橋下さんの生き方みたいなものを、台無しにしてしまっている。
私も政治家としての橋下さんの業績は評価しています。ですから、嘘つきの強請り、たかりの世界に行ってしまったことは、残念でなりません。
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柿沢議員はこう呆れるが、まず、維新分裂の経緯を簡単に振り返ろう。
幹事長(当時)の柿沢氏が山形市長選で民主・社民などが支援する立候補予定者の応援演説を行ったのは8月14日のこと。松井一郎顧問(当時)はこれに激怒し、同月27日、橋下氏と共に離党を表明した。すると、馬場伸幸前国対委員長ら大阪側は、分党と党名の返上による「円満解決」を要求した。ちなみに、分党が認められれば、大阪組は年内に5億円程度の政党交付金を手にする。
しかし、9月末から3回にわたって行われた分党協議は決裂し、正式に分党を拒否することを決めた。すると、10月14日、馬場氏ら大阪組の議員3名が「新執行部を選出するため、24日に臨時党大会を開く」と言い出す。この動きに対し、執行部は大阪維新の会に参加する国会・地方議員を除籍処分としたのだ。
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松野(頼久)代表は、分党について「円満解決」を目指して、理不尽な要求にも寛大に対処してきました。普通は新党を立ち上げると言った瞬間に、即、除名ですからね。交渉のテーブルについて話し合いをしてきたこと自体が「円満解決」を目指していることの現れだと思います。
ところが、その間、大阪組の頭目である橋下さんがツイッターで執行部のことを〈偽物維新〉〈ぶっ潰す〉などと言ってきた。一体、どの面下げて「円満解決」を求めているのか、それを求める資格があるのかと言いたいですね。
彼らが唯一、持っている武器は大阪に地方議員が多いこと。維新の党は国会議員と地方議員を「特別党員」とし、党大会の議決権を持たせている。党の規約では、過半数の特別党員の求めを受けて執行役員会が承認すれば、代表が招集して、党大会を開くことができます。橋下さんたちは、過半数の特別党員の署名を集めたのだから、党大会を開けと言っているのです。
しかも10月14日になって、大阪都構想の住民投票(5月)での敗北を受けて江田(憲司)さんから暫定的に代表を引き継いだ松野さんの任期は9月30日まで、現在は代表不在であると言い出しています。今まで分党を交渉してきた相手に“あんたは無資格者だったから、臨時党大会で代表を選び直す”というのです。
ですが、実を言うと、そもそも9月に代表選をやるのは間に合わないと、一番最初に言い出したのは、当の橋下さんなんです。7月2日、橋下さんが送ってきたメールが残っています。その中で彼は、国会議員も地方議員も一般党員も一人一票で、大統領選みたいな代表選をやろう。そのためには党員拡大を一生懸命やらねばならない、だから代表選の時期を延ばせばいい、代表の任期が少しくらい延びたからといって党へのデメリットは何もないと言っていた。
つまり、交渉の分が悪くなった途端、自分で自分の言っていることを引っ繰り返す。言わば、嘘八百の世界。今の橋下さんは、ご都合主義の屁理屈を振りかざす嘘つきなのです。
■悪質な印象操作
橋下徹大阪市長
似たような発言はまだある。例えば、10月4日、ツイッターで〈大阪維新の会のメンバーは、大阪で徹底した活動を行っている。(中略)ところが維新の党の国会議員は地元で何も活動していない。永田町で楽しい国会議員生活を楽しんでいるだけ〉と呟いた。しかし、国会議員が地元のお祭りだの盆踊りだのにかまけてはいけないということを、最も声高に主張してきたのが、橋下さんなんです。しかも、以前、長野の小選挙区で当選した我が党の井出庸生さんと橋下さんと話した際、彼は「大阪の連中にも、風頼み、橋下頼みで、ろくに活動しないのがいて困る」と言っていた。ツイッターでの発言は、国会議員に纏わりついている先入観を利用した、悪質なデマというほかありません。
橋下さんは、表向きお金(分党による政党交付金)はいらないと言っています。その一方、大阪側のメンバーは維新の大阪本部に立て籠もって、通帳と印鑑を握りしめている。で、橋下さんは、そういう人と自分は違うと言いたいのでしょうが、どうやら大阪側のメンバーは、逐一、法律家である橋下さんの指示を仰いで行動しているようです。こんな詭弁は許されません。自分だけはカネに汚くない、とする悪質な印象操作です。
朝令暮改といえば、私の時もそう。山形市長選に立候補を予定していた野党候補の応援に入ったことがきっかけで、松井さんが私に対する攻撃を繰り返した。あの時、私が橋下さんと江田さんのやり取りを聞いたところでは、橋下さんは「柿沢さんを辞めさせる必要なんてないです」ということを言っていた。8月27日の離党表明前に皆に送った最後の仲裁メールでもこう書いていた。橋下・松井は大阪の地方政治に専念するため、国政の維新からは抜ける。党は割らない。柿沢さんは辞める必要はない。国政の維新の党は、安保法制と政権交代可能な野党を作ることに専念してください、と。これなら全てが丸く収まったんです。ところが、翌28日に橋下さんは、大阪だけで国政政党を作ると言い出したのです。
民主党議員と連携したら即ダメというような話を始めたのも、今回の分裂騒動が起きてからです。もちろん、我々は、民主党と丸ごと合流しましょうと言っているのではなく、理念と政策を明確にしながら、ついてくる人を結集しようと協議しています。
これについては、昨年12月の総選挙の時、江田、松野、橋下、松井の4人で話し合い、橋下さんは「民主党も解党して、この指止まれで再編するならそれで良いです」と言っているわけです。その路線をいきなり分断し、邪魔しようとする行為を繰り返している。これこそ、最大の前言撤回、朝令暮改だと思います。
■追認するほかない
では、なぜ、橋下さんはこんなことになったのか。私は、橋下さんと松井さんは、元々野党再編路線と政権すり寄り路線の両方の選択肢を持っていたと思います。が、松井さんは住民投票で敗北した後の、それこそ追い詰められた状況の中で、政権すり寄り路線で行くと決めたのではと見ています。
確かなのは、橋下さんが政権交代可能な野党を作ることを、自分の考えとして持っておられたこと。最近までは。実際、今年の夏に民主党の大臣経験者に突如、電話して「一緒に地方分権をやりましょう」と言っています。橋下さんは、安倍総理や菅官房長官とは親しいが、自民党の他の議員との交流はさほどなく、むしろ前原誠司さんなど民主党の人たちとケミストリー(相性)の合う部分がある。
しかし、彼は12月で政治家を引退する身。松井さんが、それとは違う政権すり寄り路線を進めて行こうとするのを、止められなくなってしまったのでしょう。松井さんから「だってあなた、引退するんでしょ」と言われたら、何も言い返せません。追認するほかない。
だから、橋下さんが離党前に送った仲裁メール、つまり党は割らない、柿沢幹事長は辞めない、野党再編を頑張ってくださいという内容のメールについて、大阪組から“それじゃ、困ります”と突き上げられて、豹変したのではないかと思います。
まあ、橋下さんがそれを認めることは絶対にないでしょうが。あの1日にしての豹変はやはり不可解ですし、恐らく松井さんに引っ張られたのだろうと見ています。そうだとしても、橋下さんがやったことに変わりはない。結果的に橋下さんが今回の色んな過程において、嘘と朝令暮改を繰り返していることは、紛れもない事実です。
10月24日の“なんちゃって党大会”で、大阪側は何を決めるのかは分からない。分党なのか、解党なのか。橋下さんは3分後には違うことを言うかもしれませんし……。こういう、その場その場で自分の都合が良くなるように嘘をつき、そのうち自分が言ったことと正反対のことを平然とやり始める人が大阪府知事、市長選のダブル選挙で語る約束って何なんだろうなと思います。それを信じて素朴に投票するという行為が成り立つのか。
かつて、彼は「2万%ない」と言って府知事選に出た。だが、あの時は民間人だったし、テレビの出演契約があるから否定せざるを得なかったと後に説明しています。しかし、今は現職の政治家なので自己都合で前言を翻すのは、国民への背信行為になる。橋下さん、嘘をつくのはもうやめた方がいい、と申し上げたいです。
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