“中”“露”同居で新装 銀座「ニューメルサ」の客足

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 東京・銀座のビル屋上に現れたのは、「DUTY FREE」のネオンサイン。海外では珍しくないが、こうもデカデカと掲げられると、少々面食らってしまうのだ。

 今年2月から休館していた銀座5丁目の商業施設「ニューメルサ」が、店名を「イグジットメルサ」と改めリニューアルした。地上8階地下2階のビルは、1977年の開業。OL向けブティックなどで最盛期の88年には96億円の売り上げがあったが、改装前の2014年は約30億円と低迷していた。7割のテナントを入れ替えたが、今回の目玉は看板が象徴するように、総合免税店「ラオックス」の参入だろう。オープンから1カ月。その賑わいぶりは――。

「5階と6階の2フロアを独占して、爆買いの中国人をターゲットに家電以外に化粧品や民芸品まで売っていますが、客より店員の方が多い印象です。団体客は、同じ中央通り沿いにある7丁目の本店へ流れてしまってますね。バスが乗りつけられる路面店だから便利なんでしょう」(関係者)

 で、7階と8階にあるレストラン街に目を移せば、渋谷の東急プラザの再開発に伴い閉店したロシア料理の老舗「渋谷ロゴスキー」が移転しているではないか。

「私共は長年、渋谷にこだわり営業してきたので、ギリギリまで物件を探していました。なかなか条件の合う場所が見つからず困っていたところ、メルサさんに空きがあるということで一念発起で移転しました」

 とは、同店の担当者。銀座を意識して、食材にはプレミアム肉やウクライナ産のグリーンピースを使い、ロシアや東欧のワインを揃えるなどリストも刷新したという。

「中国の方は馴染みがないのか、メニューを見ても“食べるものがない”と仰られてしまってあまり来られませんが、おかげさまで渋谷時代のお客様には足を運んでいただいております」(同)

 同じフロアには、シンガポールでベストワンに輝いた海南鶏飯の専門店も並ぶ。

“中”“露”に“新”。銀座にも国際色のニューウェーブ。

週刊新潮 2015年10月22日号掲載

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