CS敗退 阪神「金本」新監督までの心理戦

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 すったもんだの末にCSファーストステージに進出したものの、1勝2敗で巨人に屈して今季を終えた阪神タイガース。場外で同時進行していた来季監督人事の暗闘も、すったもんだの連続といえるかもしれない。

「結局、集客を重視した本社の意向で、“アニキ”に落ち着きましたが……」

 と、在阪スポーツ紙デスクが解説する。“アニキ”とは勿論、連続試合フルイニング出場世界記録保持者の金本知憲氏(47)のことだ。

「阪神は昨季も監督就任を打診しましたが、アニキは“もう1年遊ばせて”と固辞。そこで今季は、和田阪神がズルズル負け始めた9月初旬から、しきりに“金本新監督”情報をマスコミにリークして、アニキに断られないように外堀を埋めていったのです」(同)

 その作戦が奏功した。ファンは誰しも“来季は金本監督”と信ずるまでに至り、ついに金本氏も腹を決めたという。

 だが、それはただちに正式発表とはならなかった。

 チーム関係者が語る。

「ペナントレースの最後の最後まで広島とCS進出争いを繰り広げ、更にはCSファーストステージも第3戦までもつれましたからね。さすがにチームが戦っている最中に新監督発表はできません」

 一説には、金本氏一流の条件闘争とも報じられたが、

「金銭面より心理戦の様相が強かったようです」(同)

 どういうことか。

「対抗馬とされていた岡田彰布元監督(57)を推す勢力、すなわち吉田義男元監督ら阪神OB勢が、外様であり、指導経験もないアニキに難色を示していました。アニキが結論を引き延ばしたのは、世論を味方につけて、批判勢力の“外堀”を埋める狙いもあったわけ」(同)

 外堀は埋まった。肝心の本丸再建ははたして……。

週刊新潮 2015年10月22日号 掲載

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