ろくに人道支援もしなかった「潘基文」国連事務総長が次の韓国大統領

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 所詮は現在のポストも、身過ぎ世過ぎの種でしかないのだろう。9月3日、中国の「抗日戦争勝利70年」軍事パレードに出席して物議を醸した潘基文(パンギムン)・国連事務総長(71)。非難囂々の“振る舞い”には、2年後への野心が透けて見えるのだ。

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 その出席の是非を問われ、

〈国連は中立ではなく公平公正だ〉

 と言ってのけた潘氏だが、従来、評判は決して芳しくない。さるニューヨーク駐在特派員が言う。

「潘氏は目下、史上最低の事務総長との見方が定着しつつあります。無能には『何もしない』『何かやって失敗する』と2種類ありますが、彼は明らかな前者。事務総長の唯一にして最大の仕事は人道救済、つまり難民や極貧国対策ですが、ここ4、5年深刻化したシリアをはじめ、中東やアフリカの難民対策に、何ら手を打ってきませんでした」

 シリア内戦への対応を巡っては、2013年9月に米紙「ニューヨークタイムズ」が、

〈潘基文は一体どこにいるのか〉

 と、その無能さを酷評。さらに遡れば、09年にはノルウェーの国連大使が自国の外務省に宛てた書簡で、

〈(潘氏は)やる気と学ぶ意欲に欠けている〉〈日常的に癇癪を破裂させる〉

 などと記していたことが発覚。10年にも、国連内部監査部のトップが退任するにあたり、

〈あなたの行為は嘆かわしいばかりか、真剣に非難されるべき〉〈事務局は腐敗の道をたどっている〉

 そう認(したた)めた文書を潘氏に送り付けていたのである。

■「両班政治」の典型

 もっとも、ソウル在住ジャーナリストによれば、

「韓国メディアは、おしなべて潘氏の悪評を報じないので、一般国民は自国から事務総長が出たことを誇り、もっぱら『世界大統領』と称えている。ですが、欧米メディアは播氏に批判的で、英字新聞を読む知識層などは彼の実態を知っている。先日、ある韓国人ジャーナリストが『日本の言葉ではないけれど、まさに“動かざること山の如し”だ』と苦笑していました」

 その事務総長、NYでは、もっぱら“地盤固め”に余念がないという。

「彼の就任後、総長室の幹部ポストの韓国人比率が急激に高まりました。また、国連の公用語は英中仏露西にアラビア語ですが、彼は英語が話せるにもかかわらず、韓国人幹部らと母国語で会話をしている。他国の幹部らは、疑心暗鬼を募らせるばかりです」(前出特派員)

 だから、こんな事態に。

「今や、総長室のあるNY国連本部の38階は『コリアンフロア』と呼ばれています。もちろん、前任のアナン氏の時代に、そんな呼び名がついたことなど一度もありません」(さる国連事務次長経験者)

 というのだ。先のジャーナリストが続ける。

「そこまで母国を前面に押し出すのは、16年いっぱいで事務総長の任期が切れ、17年末に韓国大統領選が控えているからでしょう。何しろ、昨年行われた『次の大統領に誰が相応しいか』という世論調査で、潘氏は全体の4割近くの支持を集めて1位だったほどです」

 が、その人気とは裏腹に、

「かつて盧武鉉政権で外相だった時代も、やはり目立った実績はゼロ。何もしなくても周りが助けてくれるという李氏朝鮮時代の『両班(ヤンバン)政治』の典型です。そもそも韓国は、人物を減点主義で評価する。だから何もせずに減点を防ごうという風潮がはびこるのです」(同)

 少なくとも“世界のまとめ役”の器ではないのだ。

「ワイド特集 ふとどき者と人のいう」より

週刊新潮 2015年10月15日神無月増大号掲載

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