「脳科学」過信への科学的警鐘/『その〈脳科学〉にご用心:脳画像で心はわかるのか』
本書で警告しているのは「脳科学」への過剰な信頼だ。例えば、「愛情を感じている時の脳の活動を解明」、「優れたビジネスリーダーの脳の鍛え方」、「買い物がやめられない脳」……。そんな最新の脳科学に基づくニュースにメディアは飛びつき、人々はそれを喜んで受け入れる。
確かに、鮮やかに彩られた脳スキャン画像の写真付きで書かれた記事は、疑いない事実のように見える。いよいよ「心の働きが解明されつつある」と感じるのも致し方ない面はある。だが、本書の著者であるワシントンのシンクタンク研究員と大学教授は、脳科学に基づくとうたった最新の研究成果を鵜呑みにすべきではないと警鐘を鳴らす。...
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