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元植民地が日本びいきなワケ 「あの頃はモラルがあった……」
■貨幣経済をもたらした
前回の記事では、『日本を愛した植民地』(荒井利子・著)をもとに戦前、日本の委任統治領だったパラオの人たちが、戦後も日本に好意を持ってくれていることをお伝えした。
なぜ彼らは今でも日本時代を懐かしむのか。同書では数多くの島民の生の声を紹介している(以下、引用は『日本を愛した植民地』より)
たとえば1925年生まれのパラオ人、フジオさん(仮名)はこう語っている。
「日本時代が良かったっていうのは、まあ金もあったし、自由で、品物はたくさんありましたから。...
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日本を手本とした元首相の回想録/『マハティールの履歴書』
本書は、一九八一年から二〇〇三年まで二十二年間にわたりマレーシアの首相を務めたマハティール元首相による回想録である。第I部は二〇一一年に刊行された回想録の抄録、第II部は一九九五年に日本経済新聞に掲載された「私の履歴書」という二部構成で、日本の読者の興味に応える編集がなされている。
マハティール首相の名が日本人の耳に親しいのは、彼が首相就任直後に策定した「ルック・イースト政策(東方政策)」による。経済発展のモデルを欧米ではなく日本に求めるというこの政策の発案は、一九六一年の初来日に遡る。...
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