[東京五輪]辞めて当然なのに居座って恥じない厚顔の最悪コンビ! 「森喜朗」元総理と「武藤敏郎」元財務事務次官の往生際
「この問題は、関係者三者三様にそれぞれ責任があると思います」。9月1日、エンブレムの白紙撤回を発表した会見で、まるで他人事のように語った五輪組織委員会の武藤事務総長。これでは、国民のモヤモヤは募るばかりである。本来、真っ先に辞めるべきは、組織委員会会長の森元総理と武藤氏の“最悪コンビ”なのだから――。
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世間の空気を読みなさい!
テレビで流れた映像を見て「この人、嫌な感じ」と思った方も少なくあるまい。エンブレムの白紙撤回が報告された組織委員会の臨時調整会議後、森氏は記者から「残念な結果になりましたが」と問われると、
「何が残念なんだ!」
と、憤然と言い放ったのだ。
「その後、森さんは官邸に向かったのですが……」
と、政治部記者が続ける。
「官邸で用事を済ませた際、記者に『君らに話す義務はない』と取材拒否。そのため、エンブレム問題の責任を取って、組織委員会会長を辞めると官邸に報告しに来たのではとの情報が流れました。しかし、森さんはその後、『俺は全く関係ないのに、何で辞めるなんていう話になるんだ』と言っていたそうです」
では、官邸に何をしに来ていたかといえば、
「来月発足するスポーツ庁の初代長官人事について直談判に訪れたのです。森さんは日本水泳連盟会長の鈴木大地さんを初代長官に推していたが、官邸は橋本聖子参院議員にやらせたかった。そこで、森さんは、鈴木さんで行くとねじ込みに来たというわけです」
五輪だけでなく、人事にも口出しするとは、一体何様か。話を会見に戻そう。全国紙の記者によれば、
本来、真っ先に辞めるべきは、組織委員
会会長の森元総理と武藤氏の“最悪コン
ビ”なのだから――
「武藤さんは会見で、責任の所在を問われた際、『審査委員会に責任を押し付けるつもりはない』と言いながらも、『選んだのは審査委員会で、我々はそれを受け取ったということです』と答えた。つまり、選定に関しては専門家に任せていたことを強調しています。しかし、実際には、エンブレムの最終的なデザインに関しても、森さんと武藤さんの直接的な関与が濃厚です」
先に述べた通り、そもそも、エンブレムの選考は昨年11月17、18日に行われ、1~3位の案が森氏と武藤氏に報告された。その後、IOCと組織委が商標の事前審査を行ったところ、佐野氏の案に似た商標が複数出てきた。
「そこで、組織委は、佐野さんに直接、デザインの修正を依頼。そして、佐野さんの2回の修正を経て、7月24日に発表されたのがあのエンブレムでした。ここで重要なのは、修正過程について、永井一正審査委員代表が『エンブレム発表の1週間前まで知らなかった』と証言している点です」
永井代表と前項で紹介した審査委員の証言を合わせると、2回のデザイン修正に審査委員会は関与していなかったことになる。
「しかも、武藤さんは、2月に提出された1回目の修正案を見て、組織委が『躍動感がなくなった』と指摘し、再修正を依頼したと説明している。実は、躍動感云々と言い出したのが森さんと武藤さんと言われているのです。だとすれば、武藤さんの審査委員会が選んだデザインを受け取っただけ、という説明と矛盾することになります」
■石川で暮らせばよい
森氏と武藤氏の付き合いはかなり古い。出会いを語るのは、さる永田町関係者。
「1981年12月、森さんは衆院の大蔵委員長に就任した。当時、彼は当選5回の中堅代議士でしたが、元々文教族ですからね。親しい大蔵官僚はいなかった。大蔵委員長に就任した後、親しい新聞記者の仲介で、同世代の大蔵官僚を4~5人紹介された。その中にいたのが主計局主計官補佐だった武藤さんでした」
さらに、2人を結びつけたのは、
「82年6月、武藤さんが商工労働部長として、森さんの地元、石川県に転勤になりました。森さんは、この人事をすごく喜んでいて、ますます親しくなったのです」(同)
98年、ノーパンしゃぶしゃぶが問題になった大蔵省接待汚職事件で、武藤氏は官房長から総務審議官に降格された。だが、その後、奇しくも、森政権下で事務次官に就任した。
「武藤さんは、頭が切れるのはもちろん、何より公明正大な人です。森さんとすれば、全幅の信頼を置いて組織委事務総長を任せていたと思います」(同)
永田町で「サメの脳みそ」と揶揄された森サン。武藤氏は、元総理に群がるコバンザメである。スポーツ評論家の玉木正之氏は言う。
「森さんは、新国立競技場の件と合わせて、国家的プロジェクトに2回失敗した。組織委員会のトップとして責任を取るのは当然です。武藤さんにしたって、彼のもとでエンブレムを決定したわけだからアウト。この2人が辞めないまま、もう1回コンペをやるなんて冗談じゃないよ」
細川内閣で官房長官を務めた武村正義氏は、森氏についてこう語る。
「総理大臣までやった、もう80になろうという人がいつまでもポストに拘(こだわ)らなくていいじゃないですか。引退して、故郷の石川で静かに暮らせばよい」
2人ともこのまま居座るなら、“厄病神”と言われるに違いない。
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