日歯連迂回献金で「東京地検」再始動が寒い「石井みどり」衆議院議員
トヨタの女性役員に手心を加えたかと思えば、今回のように苛烈に畳み掛けたりと、まさしく検察とはカメレオンの如し。2月に本誌が報じた政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)の石井みどり参議院議員(自民)への迂回献金疑惑で、東京地検特捜部はあらためて関係先を強制捜査した。忘れた頃の“再始動”が、議員の心胆を寒からしめたのは言うまでもない。
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司法担当記者が言う。
「8月19日から21日にかけ、特捜部は日歯連の都道府県支部など、関係先数カ所を家宅捜索しました。東京の本部事務所からの資金の流れを精査するためとみられています」
念のためおさらいすると、13年3月、自前で擁立した石井議員を支援すべく設立した「石井みどり中央後援会」に日歯連は4500万円を寄付。これとは別に同年1月、同じく組織内候補で当選した西村正美参議院議員(民主)の後援会に5000万円を寄付し、同日、その全額がそっくり石井後援会へと移されていた。
「政治団体間の寄付の年間上限額は5000万円。この迂回献金によって合計9500万円となるため、特捜部は4月下旬、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で本部事務所などを一斉捜索しました」(同)
日歯連側は当初から、
〈迂回献金とは認識していない〉
との見解を表明。6月下旬には高木幹正会長自ら、
〈形式的にも実質的にも合法だ〉
そう強弁し、あわせて自身の関与も否定する始末だった。
「この間、石井後援会の会計責任者が入院したこともあり、捜査は大幅に遅れた。が、8月に聴取を再開してもなお、幹部らは揃って『大枠で捉えれば内部での金の移動に過ぎない』などと居直るため、特捜部の怒りを買ってしまった。残りの資料は任意提出でもよかったところ、今回はあえて追いガサ(追加捜索)に踏み切ったのです」(地検関係者)
■「関知及び把握せず」
急遽、息を吹き返した格好の特捜部。後援会自体は日歯連の関連団体であり、その代表にも先の高木会長が就いている。とはいえ、石井議員が疑惑の“当事者”であることに変わりはない。
「石井、西村両議員の立件はさておき、大掛かりなガサに打って出た特捜部は、是が非でも高木会長をはじめ、両後援会の会計責任者を立件に持ち込む、と意気込んでいます」(前出記者)
当の石井議員に尋ねると、事務所が取って代わり、
「石井みどりが代表者をつとめている国会議員関係政治団体では無いため資金の流れなどについては、関知及び把握はしておりません」
2月の取材時と同じ回答を繰り返すのみ。が、政治資金の問題に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授は、こう指摘するのだ。
「政治家がお金の動きを人任せにするのは、法律を熟知しているからとも言えます。虚偽記載の場合、実行者が刑事責任を問われることになりますが、後援者がしたこととはいえ、あくまで議員自身の後援会。その政治的、道義的責任は問われてしかるべきです」
“知らなかった”で貰い得など、虫が良すぎる話ではないか。
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