韓国で土下座の「鳩山由紀夫」元総理に再び利用価値を認めた国
家から外に一歩足を踏み出した途端、「日本はいつから熱帯になったのか!」と叫びたくなる今年の夏。とにかく暑い。こんな時は、クーラーが効いた居間のソファに寝転び、ビールで喉を潤しながら、テレビでもつけてダラダラと過ごすに限る。だが、油断大敵。ぼーっと画面を眺めていたら、目にするだけでも「暑苦しい男」が登場し、唖然とさせられることも……。鳩山由紀夫元総理(68)である。
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ソウルの西大門刑務所跡地で土下座した鳩山由紀夫元総理
その「衝撃」のニュースが飛び込んできたのは、高知県で観測史上最高の41度を記録し(2013年)、「日本で最も暑い日」となっている8月12日のことだった。韓国を訪問していた鳩山氏が、ソウルの西大門刑務所跡地で土下座したのである。この文字通りの「謝罪外交」に韓国は、
〈(鳩山元総理)11回も頭を下げる〉(13日付東亜日報)
こう欣喜雀躍。そして、
「喜んだのは韓国だけではないですよ」
と、ある中国事情通は苦虫を噛み潰すのだ。
「中国でも鳩山土下座は話題を呼んでいます。実際、中国のヤフーとも言われる『百度』では“鳩山土下座特集”が組まれ、人民日報の系列紙である環球時報は、彼の土下座を『日本の最も威厳ある瞬間』と報じているほどです。悔しいのは、ここのところ中国では『鳩山人気』が落ちていたのに、今回の件で再び人気に火がついてしまったことです」
在北京の邦人ジャーナリストが後を受けて解説する。
「例えば8月9日、鳩山さんは中国のハルビンで開催されたフォーラムにライブ中継で参加し、『日本人の大多数は中国人が大好き』と、中国への“リップサービス”を行っていますが、こちらで大きく報じられることはありませんでした。私も、日本の知人から教えられて初めてフォーラムの存在を知ったくらいです」
■「扱いに戸惑う」
このように、中国での鳩山氏に対する関心は薄れていたのである。なぜなら、
「これまで彼は、『中国から見れば日本が尖閣諸島を盗んだと思われても仕方ない』などと言っては、散々、中国に阿(おもね)ってきた。中国人にしてみれば、鳩山さんがどんな発言をしようと、もう織り込み済みで、新鮮味がなく、利用価値もないと飽きていた。結果、彼の言動の扱いは小さくなっていたわけです」(同)
現に、中国メディアの多くの記者は、
「鳩山さんの扱いに戸惑っている。質疑応答が噛み合わなかったり、ここは話を聞かせてほしいという場面でいきなり食事をしたり、あるいは突然、『友愛』について話し出したりするので彼が何を考えているのかよく分からない、と」(同)
しかし、土下座となれば話は別で、産経新聞中国総局特派員の矢板明夫氏はこう嘆息する。
「今度、鳩山さんが中国に来た時に、『韓国でしたのに中国では土下座をしないのか。中国を差別するのか』と言われるのは目に見えています。彼は中国でも土下座せざるを得ない状況に追い込まれるでしょう」
ただでさえ、陽炎(かげろう)が立ち上るほど暑いのに、そこに鬱陶しいことこの上ない言動で追い打ちをかける鳩山氏。しかも彼は、陽炎のように消え去るわけではなく、今後も日本国民であり続けることを想像すると……。
今日もまた、寝苦しい夜になりそうだ。