“炎天”甲子園 を睨むスカウト「閻魔帳」
「正直言うと、この夏の甲子園はちょっと寂しいな」
と呟くのは、さるプロ球団のスカウト氏である。
「152キロ右腕の高橋純平(3年)を擁する県岐阜商はじめ、大分商や履正社(大阪)など注目選手がいるチームが地区大会で負けてしまったからね」
だが、嘆いているばかりでは仕事にならない、とスカウト氏はリストを片手に甲子園に通い詰める。
では、そのリストの一部を少々覗かせていただこう。
「まず、一番楽しみなのは、147キロ左腕の小笠原慎之介君(神奈川・東海大相模3年)。...