【新国立競技場問題】「舛添都知事」の集中攻撃を浴び続けた「下村文科相」
頭の回転は抜群なだけに、この人を敵に回すと面倒臭い。「憲法理解している?」「当事者意識がない」……。五輪を巡り、舛添要一・都知事(66)に延々と噛み付かれているのが、下村博文・文科相(61)である。
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〈文科省は、無能力・無責任で、失敗の最大の原因〉
〈文科省に仕事をさせれば、また失敗する〉
7月20日の舛添都知事のブログである。
「文科省」と記してはいるが、批判の矛先が向けられているのは、下村大臣その人であろう。それほど2人のさや当ては激しかった。
「確執は5月に遡ります」
とは、政治部デスク。
「5月18日、下村さんは都知事の下に出向き、新国立に関わる建設費のうち、500億円を都が負担してくれるよう申し入れをした。しかし、急に告げられた格好の舛添さんは猛反発。以降、記者会見やブログやツイッターなどあらゆる場面で、大臣や文科省の悪口を言っています。あまりに発言が過ぎるので、森元総理に“これを食べて甘くなりなさい”とハチミツを渡される始末でした」
むろん、文科相サイドも反論はしているものの、メディアを前にしたパフォーマンスとなれば、舛添氏の方が数段上。何よりJSCを所管する身でもあることから、下村文科相は、今回の新国立迷走の戦犯の一人に名を挙げられているのだ。
■“やりにくいんだよな”
自民党関係者も言う。
「例えば、ザハ案の見直しについても、下村さんは最後まで安倍総理に“できません”とかたくなに報告し、“抵抗勢力”扱いされていました。もっとも、それは下村さんの信念というより、これまで仕事を任せてきた文科省の役人の言うことを、ただ愚直に聞いていただけなのです」
が、それによって総理が文科省に見切りを付けたのは、先の章で述べた通り。
さらには、
「東京都に500億円の負担を求めた件の元凶は森さん。2016年五輪の招致の際、森さんは当時の石原都知事と、そういう約束をしたと主張している。下村さんはそれを引き継いでいるのです。東京五輪には、清和会の大先輩である森さんが組織委員会のトップにいて、下村さんはなかなかリーダーシップを取らせてもらえない。本人は“相手が森さんで正直、やりにくいんだよな”“大変なんです”とこぼしていました」
というから、上と下との板挟み。下村氏は、中間管理職の悲哀を十二分に味わっているところなのである。
そして、受難はまだ続く。野党は一連の件で、下村大臣に的を絞って責任を追及していくつもりだし、
「白紙撤回で恥をかかされた森元総理が大臣に激怒している。入念な下交渉をせず、目立ちたがり屋の舛添さんとの会談に臨んだことに対し、“あいつは裏での調整がまったくできない”と、吐き捨てています」(同)
かくして、五輪まであと5年を切った今夏。下村大臣には実に“寝苦しい夜”が続きそうなのである。
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