独立問題で裁判に勝った「美川憲一」が呆れる前社長の愛人問題

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 言うなれば、返り討ちにしたようなものか。前事務所から2億1000万円の損害賠償を求められた訴訟で、東京地裁は7月16日、美川憲一(69)の全面勝訴の判決を下した。実は、裁判のなかでも明らかにされなかったのだが、美川が独立を図った裏には、前事務所社長の“愛人問題”があったという。

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 25年間所属した『エービープロモーション』を離れ、2012年10月、美川は新事務所を設立。これまでも、歌手の独立にはトラブルが付き物だったが、その例に違わず、訴訟沙汰になったのである。

 司法担当記者が解説する。

「『エービープロモーション』で稼げる芸能人は、美川しかいませんでした。勝手に独立されたために開店休業状態に追い込まれ、経済的な損害を被ったと、『エービープロモーション』は主張しました。ですが、東京地裁は結局、お互いに独立には同意していたと、その請求を棄却したのです」

 当時、美川が独立を目論んだのは、ギャラの未払いや社員への給料遅配などが発生し、前事務所の秋元那男(なお)社長との関係が悪化したからだと言われていた。

■我慢の限界

 しかし、本当は、それよりももっと深刻な問題を抱えていたのである。

「70を超えた秋元社長ですが、かれこれ20年前から、妻と娘とは別居し、10歳くらい年下の愛人と生活を共にしています」

 と、『エービープロモーション』の関係者が明かす。

「トンネル会社を利用し、その愛人のために美川さんのギャラを中抜きしていた疑いがあった。ピーク時、美川さんは月に十数本の地方営業をこなしていた。1本のギャラは700万円前後。ですが、秋元社長はしばしば、“今度のイベントはギャラが少ない”などと言い訳をして、半分近くを懐に入れていたと聞きました」

 また、秋元社長は、愛人と美川が鉢合わせしないための努力も怠らなかった。

「パーティとかに愛人と一緒に来ていても、そこに美川さんが来るとわかると先に帰らせたり。ただ、美川さんだって、愛人がいるというだけなら、プライベートな問題で片づけたはずです。ですが、社員への給料よりも、愛人へのお手当を優先していたとなると話は別です」(同)

 さすがに、不満が爆発したに違いないという。

 そこで、美川に聞くと、

「まわりから、ギャラの中抜きのことは聞いていたわ。それでも、直接問い質すことはしなかった。愛人にマンションを買ってあげたとも耳にしたけど、私が我慢すれば良いことだと思っていたから。最終的には、社員を6人もクビにするというのが許せなくて、我慢の限界を超えたのよ。ただ、裁判ではみっともない揉め事にしたくなかったから、愛人にまつわるおカネのトラブルとかは出さなかった」

 一方、秋元社長は、

「一緒に暮らしている女性に、子会社の経理とかを見てもらって、十数万円の報酬を渡していたことはありました。でも、ギャラの中抜きなんて絶対していません。このような形の判決になって、私はまったく納得できないので、もちろん控訴するつもりです」

 かくして、泥仕合はなおも続きそうなのである。

「ワイド特集 真昼の怪談」より

週刊新潮 2015年7月30日号掲載

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