混セなのに最下位定位置だから「何とかしろ」と焦る「落合GM」
映画『マネーボール』をご存知だろうか。大リーグ、アスレチックスのビリー・ビーンGMが、統計学的データに基づいて選手の獲得と管理を行い、貧乏球団を強豪チームに育て上げた実話を基にした作品だ。ビーン氏と対照的なのが、中日ドラゴンズの落合博満GM(61)である。チームは最下位に低迷し、「何とかしろ」と焦っているという。
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中日が好調だったのは開幕直後だけ。5月には3位、4位、6月に入って5位に落ちたかと思えば、6月25日には最下位に転落。混戦のセ・リーグの中で、脱落間近なのだ。中日関係者の話。
「開幕からローテーションを守っているのは大野と山井のみ。低迷の最大の要因は、投手陣の崩壊でしょうね。焦った落合さんは、森繁和ヘッドコーチと友利結投手コーチに『何とかしろ』と指示。その結果、急遽、2人の外国人投手を獲得することになりました」
森コーチが動いた結果、入団が決まったのが、インディアンスで活躍したラファエル・ペレス投手。そして、友利コーチの仲介で、四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズに所属するドリュー・ネイラー投手を獲得しようとしているという。
「本来、GMの落合さんに積極的に動いてもらいたいところなんですが、如何せん、彼には球界に人脈がない。そこで、側近の森と友利に丸投げしたというわけです。本来なら編成部のスカウトたちの意見も聞くべきですが、彼らには何の発言権もないに等しい。森と友利がスカウトの責任者みたいになっていること自体、変な話です」(同)
■やりたい放題
スポーツ紙記者も言う。
「GMには、相当な発言権がある。落合は監督時代からそうですが、スカウトが何年も前から追いかけて候補に選んだ選手を直前になって引っ繰り返してしまうのです。今年、巨人に入団した高木勇人もそう。彼は三重県の出身。地元の選手ということもあり、スカウト陣が早くから目を付けていた。谷繁監督も『欲しい』と言っていたし、獲得候補リストの上位にあった。が、落合はドラフト前日の編成会議で『野村亮介(当時、三菱日立パワーシステムズ横浜)を取る』と言い出し、それで決まりです」
そんな落合GMに対し、谷繁元信監督にもストレスがたまる一方だという。
「実際、彼には何の権限もないでしょう」
と、記者が続ける。
「それを象徴していたのが7月9日の阪神戦です。延長11回表、谷繁はヒットで出塁。彼が試合に出ている間は森コーチが監督代行になるが、桂という捕手を代走で送り出した。ところが、谷繁は桂をベンチに追い返す仕草をした。つまり、11回の裏も自分がマスクを被るつもりだったんです。実際のところは、代走を使わず、裏の守りで捕手は桂に交代。試合は桂が投手の投球を後逸し、サヨナラ負け。落合の息のかかった森が、谷繁を交代させたということでしょう」
先の中日関係者も言う。
「落合は、後ろ盾となっている白井文吾オーナーが健在の間は、やりたい放題できる。今年最下位だったら、谷繁に責任を取らせ、自分がユニフォームを着ると言い出すかもしれないね」
中日の暗黒時代は、まだまだ続くのだ。