問題は大借金だけではない「松野頼久」維新の党代表の悲しい日和見体質
優柔不断で決断力もなければ、リーダーとしての資質が問われる。維新の党の松野頼久代表(54)は、日和見体質が露呈し、「安保法案」や「代表選」に対する軸足がフラフラと定まらない。大借金の問題も抱え、これでは組織のトップとして失格の烙印を押されても、仕方ないのではないか。
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7月3日、維新の党は国会内で、両院議員懇談会を開いた。
「部屋に入ると、テーブルの上にペーパーが置いてありました。でも、手に取ろうとすると、事務スタッフに回収されてしまった。それには、10月実施の代表選の規定について、その場で決定すべき項目が書かれていました」
と明かすのは、出席した代議士の1人である。
「当初、松野さんら執行部は、立候補に必要な推薦人の数を国会議員、地方議員それぞれ15人以上と決めていた。ですが、その日の朝、突然、最高顧問の橋下さんが、“議員の属性を問うべきではない”などというメールを執行部に送りつけてきました。その理由は、橋下さんの盟友である松井一郎大阪府知事などが代表選に出馬した場合、地方にいるため、国会議員を15人以上集めるのは難しいからです。再検討することになっても、松野さんは何も異を唱えませんでした」
さらに、代表選での持ち票数についても、橋下市長の横槍で変更を余儀なくされたという。国会議員は1人1票、地方議員は5人で1票、党員は200人で1票とされていたのに、国会議員から党員まで横並びで1人1票となったのだ。
■党の主流
唯々諾々と従っているのは、代表選に関してだけではない。
そもそも、松野代表は“野党再編論者”だったのに、そのスタンスさえもグラつき始めている。
政治部デスクによると、
「松野さんは、いずれ民主党と新党を結成し、政権奪取を図れればと考えていた。そのため、結果的に安倍自民党を利することになる安保法案の対案提出には消極的だった。ですが、橋下さんは、“党が伸びる最大のチャンスになる”と対案提出を強く主張しました。すると、松野さんはいきなり路線変更し、早ければ8日にも出すと口にし始めたのです」
悲しいほどの日和見体質と赤絨毯の借金王という称号のために、松野代表には交代話も持ち上がっている。
「12億円もの借金を抱えていれば、代表としての仕事が疎かになるのではないかと不安視されないわけがありません。現在、党の幹事長ポストも、橋下さん直轄の“大阪組”ではない柿沢未途代議士が就いている。主導権を取り戻したい“大阪組”としては、松井知事あるいは馬場伸幸代議士を代表選に立てることも考えています」(同)
結局、松野代表はわずか5カ月の天下で終わるのか。
政治評論家の浅川博忠氏もこう言う。
「松野さんが代表に就いたのは、妥協の産物。“大阪組”と元民主や元結いの党系の“非大阪組”との間を取り持つ人物が必要となり、そこに一番据わりが良かったに過ぎません。端から、リーダーシップなど期待されていない。所詮、暫定的に選ばれただけなのです」
ホストばりの派手な身なりほどには、存在感を示せなかったのだ。
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