「大島美幸」出産映像を見たくないのは不妊の配慮でなくて別の理由
新たな生命の誕生さえもお笑いに転じてしまうのだから、テレビとは実に逞しい。さる5日、バラエティ番組で自らの出産シーンを公開した森三中の大島美幸(35)。放映前から何かと物議を醸していたのだが、そもそも視聴に耐え得るのか、という問題が……。
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昨年5月から“妊活”のため休業し、不妊治療ののち人工授精に成功した大島が、第一子となる長男を出産したのは6月22日。5日放送の『世界の果てまでイッテQ!』(日テレ系)では、その出産シーンが、6分余りにわたって公開された。
「分娩室で自らCCDカメラのついたヘルメットをかぶり、森三中メンバーや夫で放送作家の鈴木おさむさんが見守る中、苦しみうめく大島の顔がアップで流れたのです」(芸能記者)
その流れをダイジェストで紹介すると、
――助産師が「1時間以内に産まれると思います」と告げ、大島がヘルメットを被り、顔面のアップとベッドに横たわる映像とが交互に流される。下半身にはモザイクがかかり、陣痛の周期が徐々に短くなる。「来ます来ます」と言いながら大きく顔がゆがみ、鼻の穴を膨らませ「あ~~」と数回絶叫。赤ちゃんの泣き声の後、「なに、今の」と繰り返して号泣する大島のアップが続き、ほどなく新生児と枕元でご対面。最後はナレーターが「今までで最高のリアクション」とまとめる――。
ざっとこんな具合である。
■「やはりつらい」
「オンエアにさきがけ、夫がブログで放送を告知したこともあり、ネット上では批判的な声が寄せられる騒ぎとなっていました」
とは先の記者。いわく、
〈出産まで芸にするのは気持ち悪い〉
〈産みたくても産めない女性に対して配慮がない〉
〈産むのはそんなにすごいことか〉
それでも、フタを開けてみれば18・5%の高視聴率をマーク。その流れのまま22時からの新番組『デスノート』も、民放連ドラの初回視聴率では今年最高の16・9%を弾き出したのだから、局としてはしてやったりだ。さる関係者が明かす。
「大島はこれまでも番組で尻を出すなど、『リアクション芸人』に徹してきました。今回は出産というプライベートな事柄でしたが、映像公開は当初から既定路線。ギャラも通常は1回あたり30万円のところ、特別に50万円に跳ね上がりました」
日本テレビに尋ねると、
「大島さんが出産に真剣に向き合っている姿を、ご本人の希望もあり、これまでと同様の形で放送したものです」(広報部)
が、不妊女性への配慮云々はさておき、
「やはり、あの大島さんの顔を延々と見せられるのはつらいものがありました」
上智大学の碓井広義教授(メディア論)は、そう前置きして、
「彼女のいきむ表情を見ながら思わず噴き出してしまった一方、苦しむ妊婦を笑いものにして良心がとがめた視聴者もいたでしょう。日曜の夜8時台という時間帯でもあり、放映はTPOを考えるべきでしたね」
美しいはずのシーンが、すっかりどぎつくなってしまったのだ。