「高知東生」が語る 芸能界引退の理由は「高島礼子」父の介護に非ず

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 女性が働きやすい社会の実現のためには、男性の理解が欠かせない、という。その点、この人は安倍総理が号令をかけるずっと前から“先駆的”な活動をしてきたといえようか。時に「ヒモ」「髪結いの亭主」と揶揄されながらも、妻で女優の高島礼子(50)を支え続けてきた俳優の高知東生(たかちのぼる)(50)。このほどついに、「芸能界を引退して“主夫”になる」と報じられたが、本人に聞いてみると少々事情が異なるようで……。

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〈女性でありながら、芸能界で第一線にい続けるというのは、大変なことですよ。(中略)オレはカミサンが自慢だし、それを自慢できる自分が誇らしいし、なにより第一の親衛隊長はオレだと思っているからね〉

 以前、高知は雑誌のインタビューでそう語ったことがあるが、なかなかここまで言えるものではない。妻が女優だという大きな違いはあるにせよ、連れ合いを「愚妻」などと言ってしまう頭の固い男性諸兄としては我が身を振り返って恥じ入るしかなかろうが、7月1日、スポーツ報知に掲載された記事には、もはや溜息しか出まい。妻のためにそこまでするのか、と。

〈高知東生が引退 妻・高島礼子の難病父介護に専念〉

 そんな見出しが掲げられた記事によれば、高知は俳優業に区切りをつけ、家庭に入ることを決断。今秋公開予定の映画の封切りをめどに一線を退き、その後は高島や、パーキンソン病を患う高島の父のサポートに集中する、というのだ。

■健康関係の副業を…

「高島と高知は1999年に結婚、高島の父親が病に倒れたのはその5年後です。父親は横浜の実家で暮らしており、ヘルパーなど数人が24時間態勢で介護にあたり、2人もそれを手伝ってきた。“介護に専念”ということは、2人が暮らす都内の自宅に義父を引き取って面倒を看るのでしょうか……。なかなかできることではありませんよ」

 芸能記者はそう感心するが、高島に聞くと、

「父は引き続き実家で、私たちが通うという形です。(芸能界引退については)本人に聞いてみて下さい」

 高知本人はこう語る。

「報道のせいでなんか美談みたくなっちゃってるでしょ。“介護に専念”ってところが強調されてさ。親の介護をするのは当たり前のことですから、今まで通りしっかりとやりますよ。でも、介護に専念するために役者をやめるなんて、言った覚えはないんです」

 では、なぜ芸能界を引退するのか。

「2年前くらいから役者としての限界を感じ始めてね。僕より才能豊かな役者さんなんてたくさんいるでしょ? あと、家族の中での自分の役割だとか、今後の身の振り方を総合的に考えた時、自分は俳優業を一度リセットして別の道で頑張るべきだと思ったわけです。それを女房に相談したら、彼女はすぐに理解してくれました」

 と、高知は続けて話す。

「俳優復帰の可能性はありません。以前から岩盤浴など健康関係の仕事を副業としてやっていましたので、その種の仕事を広げるか、全く畑違いのことをやるか、今考えているところです」

 妙な商売に手を出して妻に迷惑をかける――心配が頭をよぎるが、「夫の鑑(かがみ)」である高知に限ってそんなことはあり得ない、はずだ。

「ワイド特集 天地の狭間のドタバタ劇」より

週刊新潮 2015年7月16日号 掲載

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