〈手記『絶歌』〉亀と浦島太郎の像で「少年A」更生を信じた「関東医療少年院」元院長

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 元少年A(33)が敬慕してやまぬ三島由紀夫の小説に、こんな一節がある。〈その苦悩に虚栄心の白粉(おしろい)でもって化粧をほどこし、それを何か中途半端な、あいまいな、一種グロテスクなものに仕立ててしまう〉(『禁色』)。Aがものした手記『絶歌』の性格を的確に言い当てているが、そもそも彼は完全に治ったのか。2003年3月、仮退院を申請した関東医療少年院の元院長は、その更生を亀と浦島太郎の像で信じたというのだ。

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 去る2日放送のNHK『クローズアップ現代』は、「“元少年A”手記出版の波紋」と題し、その当否を問う内容だった。...

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