党を割る準備まで始めた「橋下徹」大阪市長は何がしたいのか?
何しろ「2万%出ない」の“前科”があるだけに、言動を額面通り受け止める人などいまい。「政界引退」を口にしつつ、なおも赤絨毯に西から横槍を入れ続けるのが、維新の党最高顧問の橋下徹大阪市長(46)。で、今度は国政政党結成に言及したというから、もはや“歩く自家撞着(どうちゃく)”だ。
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さる4日の夜、地域政党「大阪維新の会」本部で開かれた全体会議でのことだった。
「集まったのは大阪選出の国会議員や、府議や市議などおよそ100人。最初に松井一郎幹事長が挨拶して、あとは非公開となりました。続いて橋下代表が“関西でいつでも国政政党としてやっていけるようにする”と言ったため、会場はざわめき立ったのです」(出席者)
維新の党を離脱し、新たに“関西維新の会”を結成すると匂わせたのである。
これと前後し、橋下市長は以下のような挙に出ていた。維新の党関係者が明かす。
「党幹部のある国会議員に宛て、難解な長文メールを送ってきました。それによれば橋下さんは、7月3日の平和安全特別委員会で維新の質問者が提示したパネルが気に入らないという。党の対案を紹介する中で、集団的自衛権の項目が『×(反対)』となっていたからです」
そもそも党の対案では、
「個別的、集団的と区別せずに両者の重なる部分を『自衛権』として認めています。つまり、政府案の定義は『×』でも集団的自衛権一般は『○』という趣旨なのです」
それが、どうやら不興を買ったようで、
「『集団的自衛権を認めないことを既成事実化するようなら、私はこの党にいる必要はありません』などと、メールで怒りを爆発させていました」
■お得意のブラフ
別の関係者も、首を傾げるのだ。
「確かにあのパネルは説明不足だったかもしれませんが、彼らはあくまでも政府案との混乱を避けるために『×』としただけ。党幹部らは、事あるごとに難癖をつけてくる橋下さんにほとほとうんざりしています」
何にせよ現状にいたくご不満なのだろうが、そもそも5月17日の住民投票で大阪都構想が反対多数となったのを受け、12月の任期満了を以て「政界引退」する旨、高らかに宣言していたはずである。
向こう受けを狙った物言いの先に、一体どんな思惑があるというのか。
「国政政党などと言い出す原因の一つに、住民投票が終わった時点で世論が引導を渡さなかったことがあります。メディアが“潔かった”と、おだてて付け上がらせてしまったのです」
とは、ジャーナリストの大谷昭宏氏である。
「そもそも大阪系の国会議員は10人程度。関西維新の会なんて作れるわけがない。東京組が意のままにならないものだから『出ていくぞ』と、お得意のブラフをかけたのです。駄々っ子の“構ってちゃん”が、また始まったというわけです」
いちいち真に受けると、裸の王様の思うつぼというわけだ。
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