“余命半年”を自撮り「ドクター中松」のVサイン
「年内に死にます。余命は6カ月です」
昨年6月、自身が前立腺導管ガンで、今年年末までの命であることを公表した、発明家の中松義郎氏(87)の近況である。いつになく弱気だが、自称エジソンを超えた発明家“サー・ドクター・中松”なのだ。治療法を発明すればいい!
「むろんです。誰も治せない難病であることに、むしろ感謝している。発明中の治療法が全て成功すれば、来年以降も生きられる」
と語り、両手でVサインをして見せたのは、7月3日に都内で開催された講演会でのこと。隣で同じくVサインをしているのは、かの「イグ・ノーベル賞」創設者のマーク・エイブラハムズ氏(59)である。
まずは初来日のエイブラハムズ氏が、バナナの皮はなぜ滑るのか、といった、“人を笑わせ、そして考えさせてくれる研究”に与えられるイグ・ノーベル賞の意義について講演。
続いて“34年間、自分の食事を撮影し、食べた物が脳の働きや体調に与える影響を分析したことに対して”栄養学賞を受賞したドクター中松が車イスで登壇。
初めての発明である灯油ポンプ(正しくは“醤油チュルチュル”)に始まる数々の発明品を、延々と解説。さらに、ガン完治までの治療法を発表。まずは折れない心を作るために前頭葉への刺激が重要と、自ら作詞し歌うCD「がんの顔つき悪くても」を発売。次に出版……、最後は治療ロボットの発明だそうだ。
同時に自身の臨終までのドキュメンタリー映画を撮影中で、アカデミー賞も視野にあることも公表した。
エイブラハムズ氏は言う。
「馬鹿げたアイデアであっても真剣に取り組めば、何か新しいことがわかる」
もっと光を!