セ2冠「畠山和洋」が不出場の“ヘンな球宴”ウラ事情

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 これで「オールスター」などとよくも言えたものだ。

 目下、本塁打王と打点王の2冠を戴くヤクルトの畠山和洋一塁手(32)が出場しないというのだから。

「原因は今季、捕手から一塁手にコンバートされた巨人・阿部慎之助(36)です」

 と全国紙デスクが明かす。

 まずは、今月17、18日に開催されるオールスターの一塁手枠がどうなったか確認しておこう。

 ファン投票では、阪神から古巣の広島に出戻った新井貴浩が選ばれた。リーグトップの得点圏打率4割とはいえ、“カープブーム”に乗った感は否めない。

 そして選手間投票で選ばれたのは、阿部の一塁コンバートが原因で、巨人からDeNAに移籍したロペス。チームトップの13本塁打(6日現在)というが、畠山の19本には遠く及ばない。

 この時点で畠山が選ばれないのもおかしいが、投票である以上、とやかく言っても仕方がない。要は、原監督が監督推薦で入れれば済む話だ。

 ところが、そこでややこしいことになった。

 阿部が、選手間投票で捕手として選ばれているのだ。

「原監督は、阿部をコンバートし、26歳の小林誠司を正捕手にしようとしたが、伸び悩んでいるため、念のためFAでヤクルトから獲得した相川亮二を起用した。ところが、相川が開幕早々に故障離脱。そこで急遽、阿部を捕手に戻した。このとき阿部が活躍したため、選手間で“やはり捕手は阿部さんしかいない”となったのです」(同)

 セの他球団を見渡しても、相川の穴が埋まらないヤクルト、“ポスト谷繁”が決まらない中日、やはり世代交代が滞る阪神……と、消去法でも阿部しかいない。

「でも、阿部はもはや捕手ではなく一塁手。原監督も“オールスターでも一塁手として使う”と明言している。つまり、一塁手が3人もいる。なので、監督推薦で畠山を入れる余地がないんです」(同)

 逆に、捕手枠は手薄になったため、ヤクルトの中村悠平が監督推薦された。規定打席到達選手中、最低打率の彼を選んだのは、ヤクルトファンヘの罪滅ぼしか。

「パに比べて見劣りする打線が更に劣化。開催地は、東京ドームとマツダスタジアム広島だというのに」(同)

 名ばかりオールスター。

週刊新潮 2015年7月16日号 掲載

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