「松岡修造」も困惑する「松山英樹」とゴルフ記者20人との冷戦

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 一流のアスリートにとって、自分を取り巻くスポーツ記者は敵にも味方にもなり得る存在だ。つまり、マスコミ嫌いで知られるプロゴルファーの松山英樹(23)は、四面楚歌の状態にある。『全米オープン』でも無愛想な対応を繰り返し、松岡修造(47)すら困惑させてしまったのだ。

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 テニスやゴルフなどの熱血リポートで知られる松岡氏も、この日ばかりは閉口の様子だった。現地で取材していた、運動部記者が振り返る。

「本戦の初日を2日後に控えた6月16日のことでした。テレ朝は事前に松山と石川遼(23)の2人にインタビューを申し込んで、石川からは了承を取り付けていました。松山は返事を保留していたそうで、結局、この日は石川だけがやって来たのです」

 テレ朝の取材チームは、練習場の脇に特設テントを設置していたが、

「松岡さんは、石川のインタビューを終えた後も、来るかどうか分からないまま松山を2時間以上もテントで待ち続けるハメになった。当初は“何かトラブルでもあったのかな”などと心配していましたが、次第に口数も減って表情を曇らせたのです」

 遂に松山は姿を見せなかったが、彼はこの直前にも20人もの記者を相手に横柄な態度を取っていたのである。

「松山選手のサイン会があり、記者たちはその後で話を聞こうと待っていた。それで“コースの感想は?”と声をかけると、“ヤダ。明日、話します”で終了です。幾らマスコミが嫌いでもねえ……」(カメラマン)

■ファンヘの優しさ

 記者泣かせの対応は、今に始まったことではない。ゴルフ専門誌のデスクが解説する。

「昨年3月、松山は羽田空港から渡米しました。ターミナルにはフライト前に話を聞こうと取材陣が集まりましたが、彼は待合室に閉じこもって出て来なかった。そのうち出発時間が近づくと、彼は記者たちと接触することのないVIP向けの通路から保安検査場に入り、そのまま出国したのです」

 後から明らかになったところでは、松山は多数の記者の目を盗んで親しい記者1人を待合室に招き入れ、取材に応じていたという。これには記者団から強い抗議の声が上がったそうで、さすがに今年1月に米国に向かう際は、空港で記者会見を行った。

 そんな彼を米国で取材してきた、在米ゴルフジャーナリストの舩越園子氏は次のように指摘する。

「今シーズンの初め頃、彼は記者への対応を“あまり怒らないようにしたんですよ。カリカリ怒ってもしょうがないし、結局、自分が損をするから”と話していました。とことん職人肌ですから、記者にはきちんと取材した上で尋ねて欲しいと考えている節がある。それを踏まえた質問には、しっかり答えていますよ」

 どうやら自分が認めた記者には対応しているようである。が、プロゴルファーの沼沢聖一氏はこんな意見。

「ファンはメディアを通じて松山を理解するのだから、初歩的な質問でも、その記者に教えてあげるというつもりできちんと答えるべきです。丁寧に答えることは、記者だけでなくファンヘの優しさなんですから」

「プレー一流、人物二流」なんて後ろ指をさされることのなきように。

「ワイド特集 雨降って地固まらず」より

週刊新潮 2015年7月9日号 掲載

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