二階サンが掻き回す「岩手県知事選」のツケ

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 小沢王国の牙城を崩すべく出張ったはいいが、彼もまた「剛腕」過ぎた。

 9月6日の岩手県知事選を、自民党の二階俊博総務会長が掻き回しているのである。党関係者の話。

「そもそも、小沢さんの側近である現職の達増(たっそ)拓也知事の対立候補として、元民主党の平野達男参院議員を自民党から担ぐと言い出したのが、かねて付き合いのあった二階さんでした。党の岩手県連は、蚊帳の外に置かれたことに不満を持ちつつも、達増陣営から土建業者を引きはがすには、国交族として役所に口が利ける二階さんの力が必要。それで、平野さんの支援体制を整えてきたのですが、問題はその先なんです」

 平野議員が知事選出馬に伴い辞職すれば、10月にも参院岩手選挙区の補選が行われる。

「知事選が苦戦を強いられているだけに、せめて補選だけは勝ち取りたいというのが、県連のスタンス。ところが二階さんと平野さんは、再び彼らを蚊帳の外に置き、決して“良いタマ”とは言えない無所属の岩手県議に目星をつけた。もちろん、県連は難色を示しています」(同)

 さらに、県連と同様に二階氏を警戒しているのが、安倍晋三総理だという。官邸関係者によれば、

「彼の担いだ候補者が補選を通れば、二階派に入ることは目に見えている。いくら総裁選での再選を支持して貰ったからといって、勢力拡大は見過ごせません。そこで、6月19日、第1次安倍政権で総務大臣を務めた増田寛也元岩手県知事と官邸で会い、補選への出馬を打診したんです。もっとも、増田さんが今更、参院議員に魅力を感じるわけもなく、断られてしまったそうですが……」

 その「剛腕」は敵を倒すのか、増やすのか――。

週刊新潮 2015年7月2日号 掲載

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