AV女王「小林ひとみ」も“不明リスト”に載る「2次利用問題」

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 元プロボクサーでコメディアンのたこ八郎、言わずもがなの大友柳太朗、ハーフタレントの草分けで岡田美里の父であるE・H・エリック、名脇役で津川雅彦の叔父・加東大介、女優の竹井みどり、そしてAVの女王・小林ひとみ……。

 ザッと2500名もの役者と連絡がつかない、とホームページで〈ご本人及びお心当りのあるご家族、ご遺族、知人の皆様は、事務局までご連絡ください〉と呼びかけているのは、一般社団法人「映像コンテンツ権利処理機構(略称aRma)」である。

「確かに、あの一件以来、一般の方からも“あの人の連絡先もわからないのか!”といったご連絡を受けるようになりました」

 とはaRma事務局。

 あの一件とは、元女優の宝生舞さんの“行方不明”騒動、といえばピンとくる方もいるだろう。

 テレビ局が番組を再放送、ソフト化、ネット配信するためには、事前に契約がなかった場合は改めて出演者に許諾を得て、出演料を払わねばならない。その権利業務処理をテレビ局になりかわり、一括して行っているのがaRmaなのだ。

 宝生さんの場合、2007年に放送されたドラマ『相棒シーズン6』(テレビ朝日系)に出演した際の権利者が見つからないというテレ朝からの申請により一覧に掲載された。これがネットで話題になり、幸いにも、すぐに関係者から連絡があったので、ことなきを得たが、

「だからといってご連絡下さる方が居場所をご存知というわけではない。特に亡くなられた場合や引退して5年以上経つと、連絡がつかなくなることが多いのです」(同)

■銀座にいるわよ!

 しかし先週まで掲載されていたのは、名脇役女優でエッセイストとして日本エッセイスト・クラブ賞も受賞した沢村貞子。加東大介の姉であり、つまり津川雅彦の叔母に当たる。NHKの朝ドラ『おていちゃん』の原作者でモデルでもあったが、そのNHKから“不明リスト”への登録申請が来ていたわけだ。

「おかしいわねえ。テレビ局の人なら大抵、私が引き継いでいることはご存知のはずだし、その用紙もNHKに送ったはずよ」

 とは三十余年にわたりマネージャーを務め、子供のなかった沢村さんの権利業務を引き継いだ山崎洋子氏。

 弟の加東大介さんには遺族がいる。息子は黒澤明監督の娘と結婚し、孫までいるのだ。その1人はジブリの冊子の表紙も描いたイラストレーターの加藤秀之氏。

「兄で俳優の加藤隆之にも、そうした連絡はありませんね。もっとも父と母は離婚して、僕らは母方ですから権利者ではないのです。ただ一般人である父の連絡先はわからないでしょうね」

 権利者である加東大介さんの長男家族は、

「父は今不在ですが、そうした連絡は聞いていません」

 そしてもうひとかた、連絡がつかないというのが、やはりテレ朝の『特命係長・只野仁2』(2005年放送)に出演した小林ひとみである。

「失礼しちゃうわ、行方不明だなんて。銀座にお店をもって、この8月には開店6周年を迎えるんですよ」

 と女王改め、ひとみママ。銀座8丁目に「Hitomi・K」と芸名ズバリの店を構え、開店当初は、ひとみママに会える店と本誌の取材にも応じている。

「もっとも、いまは女優業はしていませんし、お店のホームページも出していませんから、連絡先もわからないのかもしれないけど」

 と鷹揚なひとみママだが、検索すれば店の住所、電話番号は出てくる。

「お店には毎日出ています。ファンのお客様がいらしてくれるので、ポラロイドカメラでの記念撮影が名物。でも銀座で頑張ってきたのに、まだまだなのかしら」

 いやいや、まだまだなのは“特命係長”、いやテレ朝の調査力です。

週刊新潮 2015年7月2日号 掲載

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